« Barling YOW Make (1921) | トップページ | Vauen LUXUS 3286 »

2015/07/16

Charatan Freehand DISTINCTION

1966年(昭和41年)~1982年の製作になります。

Img_0923_2

1960年代のイギリスは英国病といわれ、社会保障制問題、勤労意欲低下、既得権益発生など経済が停滞で、欧州諸国から「ヨーロッパの病人(Sick man of Europe)」と呼ばれていた。
1979年のマーガレット・サッチャーが首相になり、製造業は衰退するも北海油田の開発など上昇機運も見えてきた。
そういった時代のパイプです。

Img_0933_2
ダブリンシェイプをベースにチャラタンならではのフリーハンドで、大胆な円錐を形成しています。

 ・全長:145mm・高さ53mm
 ・外径:44mm・内径:23mm・深さ43mm
 ・重量:42g

Img_0927_2

ストレートグレインと虎皮のようなコントラスト。
オリジナルのワックスもきれいに残っており、見た目は大胆な逸品です。

外観:4

感触:3(咥え心地)、3(エアコントロール)

味:4(バージニア)

Img_0926_2
 
形状が示すとおり、後半すぐに熱くなります。
ペリク&バージニアをチビチビと吸うのが楽しい。
吸い味は、濃くなく薄くもなく、上品で軽い甘さの吸い味です。
 
M

---------------------------------------------------------
チャラタン Lane期のグレード価格
---------------------------------------------------------
 Summa Cun Laude :$10,000
 Crown Achivement :$5,000
 Royal Achievement :$4,000
 Achievement :$3,500
 Coronation:$2,000
 Supreme :$750
 Selected :$400-350
 Executive :$325-300
 Distinction :$275-250 ←ここ
 After Hours
 Free hand Relief

 チャラタン 若い技師(Apprenticeship)によるマシンメイド
  Special
  Relief Grain (tan) (dark)
  Beldevere
  Perfection
 
Dv

---------------------------------------------------------

Yahooオークションの商品紹介

---------------------------------------------------------

古き良き時代のオールド・ブリティッシュ「Charatan's」で、目の覚めるようなストレートグレインと豪快なフリーハンドと称されたパイプが、当「Freehand DISTINCTION Danish Dublin 1966年-1982年 Lane時代」ヴィンテージになるかと思います。

1863年フレデリック・チャラタンによってロンドン・マンセル・ストリートに設立されたメーカーで、1910年に息子ルーベンに工場を譲りました。

そうしてルーベンは父の跡を継ぎ、長年にわたって非常に高品質のパイプを生産し続け、米国輸出のパートナーとして1955年Laneグループに独占権を与え、高品質の大ぶりなボウルに豪快なストレートグレインが人気を博し順調に生産を続けてましたが、残念ながら後継者もなく1960年に亡くなりました。

その後、彼の妻は後継者が居ないこともあって翌年1961年に会社をLaneリミテッドに売却し、1976年にはDunhill社との共同経営で、1982年にDunhillへ完全に転売され現在もDunhillの子会社として製作を続けています。

Old Charatan'sといえば、眼の覚めるようなストレート・グレインを生かしたフリーハンドで有名ですが、1961年以降のマシンメイド・スタンダード・シェイプも劣らず素晴らしいパイプなので、今もファンが多く存在してます。

この1961年以降から1982年までの製作はLane時代と呼ばれ、スチームキュアリングと称される水蒸気を使ったキュアリング法で素晴らしいドライな喫味を味わえると言われるコレクティブルな価値ある時代のパイプとなります。

Lane時代に入りマシンメイドによるラインが導入されましたが、旧チャラタン時代の卓越した技術を持つ職人も居ましたので、昔ながらのフリーハンドのラインも残されました。

そこでグレインを活かしたフリーハンドと、チャラタン風にアレンジされたクラッシクシェイプの2ラインで製作され、シェイプが個々に違うフリーハンドにはシェイプNo.刻印はなくグレードネームのみの刻印となります。
シェイプNo.刻印が打たれるのは、形が決まった大量生産のマシンメイドと一部のハンドメイドになります。

当パイプのシェイプは、グレインやシェイプイメージを活かして製作されたフリーハンドなのでNo.はなく「DISTINCTION」のグレード・ネーミングが与えられています。
まさに目の覚めるようなと謳われるグレインとは、当パイプのような素晴らしい紋様のストレートグレインを指すのではないでしょうか。
画像をもう一度ご覧下さい。本当に美しいグレインだと思います。

この「DISTINCTION」和訳すると「俊逸」になるのでしょうか、まさに当パイプのグレインやシェイプフォルムに当て嵌まる言葉だと思います。

ボウル全面からボトムへ流れ落ちるストライプのグレイン、ボトムからシャンク左右へ走るストレートグレイン、まさにフリーハンドのカッティングならではの魅せてくれる仕上げです。

そしてグレインを鮮明に浮かび上がらせるハイコントラストでダークなナチュラルカラーステインに、グレインの拡がりを活かすためのダニッシュ系ダブリンボウル、そしてチャラタンお家芸の「Double Comfort bit」と称されるステムが二段になっている独特のステムを軽くベントさせての採用、この形に嵌らない前衛的でモダンであり豪快なシェイプがチャラタンの魅力だと思います。
これが当時の英国では、憧れの「夢のパイプ」と賞賛されたバーリングと雌雄を分かち合ったフリーハンドのチャラタンです。

チャラタンの職人の腕は最高級で、あのダンヒルの設立時にも引き抜かれたほどですから。(サシエニはダンヒルの以前、元チャラタンの職人です。)
当然お値段もそれなりに・・・特にフリーハンドはあのダンヒルが2本も3本も買える、目の玉が飛び出るほどの超高額で販売されていました。

製作年代については、ダンヒルやアシュトンのようなデートコードやイヤーコードもないのでピンスポットでの特定はできませんが、それでもチャラタンの場合はある程度まで絞ることができます。

識別法はいくつかありますが、わかりやすいのはステムに打たれている「C」と「P」の文字が交差(重なった)したロゴから判別ができます。
1982年からダンヒルの傘下になった以降は、「C」と「P」の文字が単独刻印されてますので分かりやすいです。

またDC(Double Comfort bit)ステムを採用していることから、このパテントが発行された1966年1月からダンヒルに完全売却した1982年までの製作と更に絞り込めるかと思います。

これらは総て私的見解ですので間違いや見当違いがあるかも知れません。ご参考程度に留めて戴ければと思います。

高品質のブライヤーがまだ豊かだったLane時代に職人の腕を揮って製作された当パイプ、オールド・チャラタンの現代にない味わい溢れた伝統の豪快なるフリーハンドによる斬新的なフォルムとスチームキュアリングの味わいを愉しんで戴けたらと思います。

このような美品で良コンディションのオールド・ブリティッシュやオールド・チャラタンをお探しの方には、必ずやご満足戴ける逸品だと思ってます。
なので是非この機会を逃さず、まさに一期一会の気持ちを持ってご検討戴けたら幸甚に存じます。

【刻印】

・シャンク左側:「CHRATAN'S MAKE」「LONDON.ENGLAND」「DISTINCTION」

・シャンク右側:「Made By Hand」「in」「City of London」

・ステム左部:重なった「C」と「P」のロゴ

【サイズ】(素人採寸ですが、簡易ノギスと調理量りで測りました。)

・全長:145mm・ボウル外径:44mm・チャンバー口径:23mm・ボウル高:53mm

・重量:42g・チャンバー深:43mm

« Barling YOW Make (1921) | トップページ | Vauen LUXUS 3286 »

10.Charatan」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Charatan Freehand DISTINCTION:

« Barling YOW Make (1921) | トップページ | Vauen LUXUS 3286 »

Link

無料ブログはココログ