Charatan Make 0120
1961-1962年(昭和36-37年)の製作になります。
英国経済は停滞して、充実した社会保障制度や基幹産業の国有化等の政策によって社会保障負担の増加、国民の勤労意欲低下、財政の悪化など多く問題問題を抱え「イギリス病」と呼ばれていた時代です。
一方、米国は戦後成長の黄金期を迎え、第二次パイプブームを控え需要は多くあったと思われます。
Lane社が後継者のいなくなったCharatanを買収した背景に絡んでいると思われます。
「Larger Lumberman」(材木切り出し人)で、Lane社になって名付けられたカナディアンシェイプです。
刻印に「0120」でサイズコードがなく、フィッシュテイルを示す「x」もありません。
ルーベン時代にはないシェイプ名ですので、1961~62年の製造と販売になります。
但し、Lane社が販売権を得た1955年から、一部のロットに「L」刻印があり、準備段階で1955年以降に製造されていた可能性もあります。
フィッシュテイルで高級感のあるヴァルカナイトは、硬く薄く咥えやすい。
シャンクやステムの緩やかなくびれ方が何とも心憎いです。
キュアリングが鰹出汁の効いた関東のうどんだとすれば、charatanの上品な紫煙は、
関西の鯖節薄口しょうゆの柔らかいうどんのイメージがあります。
・全長:143mm・ボウル高48mm
・外径:34mm・内径:19mm・深さ41mm
・重量:37g
datingですが、サイズコードなし。フィッシュテイルの[x]コードなし。Laneの[L]あり。
これはレーン社が独占販売権を得た1955年から1960年のモデルになります。
残念な事に、二段テノンが少し欠けています。
二段テノンがタールで固着した時、テノンがダボ穴に残る割れ方をないような仕組みとして機能しているのかもしれません。
外観:4
感触:5(咥え心地)
味:5(バージニア)
年代もののチャラタンやバーリングは、私の好みの味です。
日本の夏の暑い日でも、紫煙をくぐらせたくなるお気に入りのパイプです。
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Yahooオークションの商品紹介
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Charatan's Make 0120 Larger Lumberman 1961年-1962年 Lane時代の美品
ご覧戴きありがとうございます。
パイプのお好きな方やコレクターの方、ぜひ宜しくお願い致します。
古き良き時代のオールド・ブリティッシュ「Charatan's Relief 0120 Larger Lumberman 1961年-1962年 Lane時代」のヴィンテージです。
1863年フレデリック・チャラタンによってロンドン・マンセル・ストリートに設立されたメーカーで、1910年に息子ルーベンに工場を譲りました。
そうしてルーベンは父の跡を継ぎ、長年にわたって非常に高品質のパイプを生産し続け、米国輸出のパートナーとして1955年Laneグループに独占権を与え、高品質の大ぶりなボウルに豪快なストレートグレインが人気を博し順調に生産を続けてましたが、残念ながら後継者もなく1960年に亡くなりました。
その後、彼の妻は後継者が居ないこともあって翌年1961年に会社をLaneリミテッドに売却し、1976年にはDunhill社との共同経営で、1982年にDunhillへ完全に転売され現在もDunhillの子会社として製作を続けています。
Old Charatan'sといえば、眼の覚めるようなストレート・グレインを生かしたフリーハンドで有名ですが、1961年以降のマシンメイド・スタンダード・シェイプも劣らず素晴らしいパイプなので、今もファンが多く存在してます。
この1961年以降から1982年までの製作はLane時代と呼ばれ、スチームキュアリングと呼ばれる水蒸気を使ったキュアリング法で素晴らしいドライな喫味を味わえると言われるコレクティブルな価値ある時代のパイプとなります。
Lane時代になりマシンメイドによるラインが導入されましたが、旧チャラタン時代の卓越した技術を持つ職人も居ましたので、昔ながらのフリーハンドやハンドメイドのラインも残されました。
そこで、グレインを活かしたハンドメイド&フリーハンドと、チャラタン風にアレンジされたクラッシクシェイプの2ラインで製作されました。
当然ながらシェイプが個々に違うフリーハンドにはシェイプNo.刻印はなく、ネームのみの刻印となります。
シェイプNo.刻印が打たれるのは形が決まったクラシックシェイプのラインで、ハンドメイドとマシンメイドがあります。
チャラタンのスタンダード・シェイプは、殆どが通常のクラシックシェイプに独自のアレンジを加えたフォルムですが、当パイプはタンカラーステイン・レリーフ仕上の完全なるクラシックシェイプです。
当シェイプはクラシックの「Canadian」と呼ばれるシェイプで、チャラタンのカタログでは「Larger Lumberman」と称されるシェイプNo.「0120」になります。
グレード名の刻印はありませんが、シェイプナンバーが打たれてることからスタンダードグレードになります。
製作年代については、ダンヒルやアシュトンのような年代識別コードもないのでピンスポットでの特定はできません。
ですが、それでもチャラタンの場合はある程度まで絞ることができます。
Lane時代のステムロゴは「C」と「P」が重なったロゴでしたが、Dunhillに売却した1982年以降は「C」「P」が離れ、単独文字での刻印になります。
また1962年以降より「Dunhill」同様のグループサイズコードシステムを導入したため、以後の製品にはシェイプナンバーの前に「1-4」のサイズコードが付きます。
当パイプにはサイズコードがまだ打たれてませんので買収後初期、1961年-1962年の製作品だろうと思ってます。
ちなみに当シェイプNo.は、グループコード制になってからは「30120」になります。
これはオールドダンヒルのサイズコード③-④間あたりに相当するサイズですので、扱いやすいと思います。
スチームキュアリングが掛かったオールドチャラタンやオールドブリティッシュ、またカナディアンシェイプがお好きな方、興味を持たれた方、どうぞ宜しくご検討下さい。
【刻印】
・シャンク裏側:「CHRATAN'S MAKE」「LONDON. ENGLAND」「0120」
・ステム上側:重なった「C」と「P」のロゴスタンプ
【サイズ】(素人採寸ですが、簡易ノギスと調理量りで測りました。)
・全長:143mm・ボウル外径:34.5mm・チャンバー口径:19mm・ボウル高:48mm
・重量:37g・チャンバー深:41mm
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