Dunhill Bruyere 142
1926(大正15年&昭和元年)の製作です。
「1926年ロンドンの美しいカラー映像」で検索すると英国フィルム協会が修復した、1926年のロンドンを見る事ができます。
英国経済は停滞時期を迎えていた時代ですが、美しい倫敦の街並みは現在と変わらぬ感覚があり驚きました。
パイプとタバコだけでになく、王室御用達、パリ・ニューヨーク支店、ライター、化粧品と次々事業を拡大している最中の黄金期の逸品です。
アルフレット・ダンヒル氏は2年後に愛人と出奔しちゃうんだけどね(^^;)
ステムがリプレイスの戦前ダンヒルはありますが、象牙印のダンヒルはなかなか入手できなかったので感激も一入 。
・全長:150mm・ボウル高47mm
・外径:33.5mm・内径:20mm・深さ39mm
・重量:34g
ボウルトップの濃いプラム色は若干薄れていますが、刻印やステムはかなり良い状態です。
古典的なダブリンのシェイプはスマートな感じですが、奥細りのチャンバー形状は、後半がやや喫煙しにくですね。
古いキュアリングパイプはどうしても英国ミクスチャーが中心になってしまいます。
綺麗にARメソッドがかけられていたのでバージニア専用にしてみようと思います。
外観:4
感触:4(咥え心地)
味:4(バージニア)
このパイプはナッティーフレバーがかなり強くでます。
甘さはべっ甲あめのような香りかな。
火皿からの紫煙は、中盤から後半にかけて複雑な味の変化が楽しめます。
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Yahooオークションの商品紹介
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PATENT DUNHILL Bruyere 142 Classic Dublin"INNER TUBE" 1926年
オールドから現代までブリティッシュを代表する「DUNHILL」のクラシックシェイプと言われる中の1本「Bruyere 142 Classic Dublin 1926年」です。
1907年7月7日にアルフレッド・ダンヒルよって創業された英国王室御用達(1921~)の高級パイプメーカーとして最も有名で、パイプスモーカーにとって憧れのブランドです。
ヴィンテージ時代のグレードには、創業時「Bruyere (A)」1910年代に「Shell (S)」が登場、1930年代には「Root (R)」が登場し、1950年代は「Tanshell (T)」が登場、1970年代に入ると「Red Bark (R/B)」も仲間入りし、それぞれが特徴的でありブライヤーの採取地・質が違います。
なので、おそらく喫味も違うのだろうと思います。
だいたい20年毎に新グレード、新ブライヤーが登場してます。
この時代の「A」刻印は「Bruyereの短縮コード(A)」の意味ではなく、「Aクラス・・・最上のブライヤーを使用している。」と意味で打たれたようです。
ダンヒルはブライヤーの紋様に重点を置きませんが、ここでいう最上とは樹齢が高く、埋めやサンドピットもないブライヤーを指してます。
当シェイプNo.「142」は、古くからあるクラシックシェイプのひとつ「Dublin」と称される優美なシェイプで、起源はかなり古く1870年代には既に作られており、数あるクラシックの中でも最古に類するシェイプです。
トップからボトムに掛けてスラリとしたボウルの微妙なテーパー具合、そしてボウルを僅かに前傾させた直立に近いフォルムに緩やかなテーパーを掛けたややロングのステム、艶やかさと気品溢れた上品で美しいスマートなダブリンになってます。
この美しいクラシックシェイプのフォルムは、飽きることのないオールドブリティッシュの魅力の一つではないでしょうか。
製作販売年度はパテントナンバーやダンヒル独特のデートコードと呼ばれる数字によりピンスポットで知ることができます。
デートコードは1922年から打たれましたが、それ以前はパテントナンバーやその他の刻印から絞り込むことが可能です。
当パイプのパテントナンバーは「PATENT No. 1130806/15」で、1924年から1926年の間に使用されたパテント刻印です。
そしてその上の行にある刻印は「"INNER TUBE"」で、「Bruyere」のみに1932年まで使用されました。
デートコードが「6」ということで、アルフレッド時代の1926年製作になります。
また、ステムには貴重な象牙を象嵌したホワイトスポットと登録意匠番号「REG.No 654638」の刻印が薄いですが残ってます。
「"INNER TUBE"」刻印同様、1932年まで使用されました。
私個人の推測なので、違ってました場合はご容赦下さい。
当パイプが製作される前の1923年に英国ロンドンに株式会社を創立し、翌年1924年には加国トロント・仏国パリでも現地法人を興しました。
同時に新たな商材としてライターの製作販売が始まり、アルフレッド・ダンヒルが「パイプの本」を執筆出版した年でもあります。
この頃からダンヒル社は飛躍的に伸び、大きく発展していきました。
ちなみに「アルフレッド・ダンヒル」は1928年に引退し、実弟の「ハーバード・ダンヒル」が引継ぎました。
その当時の取締役工場長は、アルフレッド次男の「ヴァーノン・ダンヒル」が務めてます。
このような激動な時代に製作された、アルフレッド時代の当ダンヒルの完全オリジナルは貴重なコレクティブルな逸品になろうかと思います。
ダンヒルはブライヤーの紋様に重点を置きませんが、それでも当パイプにはボウル右側からシャンクに掛けて見事なクロスグレインとタイガー(ゼブラ)グレインが走ってます。
ブリュイエールはオールドカラーと呼ばれる、濃いプラムカラーのステインで纏われているため紋様はあまり見えないのですが、当パイプは経年のため若干ステインが薄くなり魅惑的な紋様が浮かび上がってます。
この時代のホワイトスポットは貴重な象牙が象嵌されてますので、これもコレクターには堪らない魅力のひとつだと思います。
高樹齢のカラブリア(イタリアナポリ南部)産の熟したオールド・ブライヤーを使用し、約90年も前に製作されたアルフレッド時代のパテントダンヒルで、ダンヒル・フリークやコレクターにはたまらない稀有なダンヒル初期時のオイルキュアリングの味わいを愉しめる・・・非常に価値がある逸品かと思います。
コンディションについては下段に記しましたので、画像でのご確認と記事にお目を通して戴ければと思います。
ヴィンテージとの出会いは一期一会とも申します。
今後、このようなパイプにもしかしたら二度とは会えないかもしれないという気持になり、その価値を共有できるご理解ある方に使って戴けたら幸甚です。
【刻印】
・シャンク左側:「Ao」「DUNHILL」「LONDON」
・シャンク右側:「MADE IN ENGLAND 6」「"INNER TUBE"」
「PATENT No. 1130806/15」「142」
・ステム上部:ホワイトスポットの象嵌
・ステム裏側:「REG.No」「654638」
・インナーチューブ:「PAT.No5861/12」
【サイズ】(素人採寸ですが、簡易ノギスと調理量りで測りました。)
・全長:150mm・ボウル外径:33.5mm・チャンバー口径:20mm
・ボウル高:47mm・チャンバー深:39mm・重量:34g
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