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2016/01/16

Castello Sea Rock Briar 35/A

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大戦の傷を残す中「パリ講和条約」により枢軸国の処遇が決まった1947年、カルロ・スコッチ氏は高級パイプメーカーとしてCastello(城)工房を立ち上げます。
以後、イタリアは1960年代まで「奇跡的復興」とよばれる高度成長時代を向かえる事になります。
ちなみにイタリア人と言えば陽気で楽しいイメージがありますが、これは南イタリアの気質です。
北イタリアは歴史的にも工業・経済の先進地で、緻密で技術力もあり職人気質の土地です。
Dsc_0935
本パイプは、Sナンバーなし、Kコードなし、復活REG.No.の少し変わったモデルです。
riverside氏「海辺の奇岩城」にも同系列のパイプがあり北米輸出モデルと推察しています。
http://ameblo.jp/searockbriar/entry-11377389153.html
 カステロ製造年判定(推定です)
  1947~1950年代  :REG.No.モデル
  1950年頃~1960年末:Sナンバーモデル、Sナンバーなしもあり。全角ロゴ。
  1966年頃~    :「CARLO SCOTTI」刻印、半角ロゴ
  1970年頃~    :Kコード(Gコード)モデル
  復活REG.No(前期):1950年代。全角ロゴ、Sナンバーなし、Kコードなし
  復活REG.No(後期):1968~1972年 Caminetto氏モデル、Kコードあり、半角ロゴ
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 ・全長:159mm・ボウル高54mm
 ・外径:30mm・内径:19mm・深さ44mm
 ・重量:37.5g
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長いシャンクからは平行四辺形に伸びる火皿が絶妙なキャスター角で一目気に入りました。
細かいラスティング処理ですが、貝が張り付いた粗い岩場のような表面と、城壁ようなシェイプはSEA ROCK特有の風景を見せてくれます。
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GLピース氏もゴツゴツのボウルを掌で楽しみながら吸ってみてくれと述べています。
シーロックを持つと、サンドブラストでさえツルツルに感じてしまいます。
確かに握る楽しみは斬新でうれしいものがあります。
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外観:4
感触:4(にぎり心地) 2(咥え心地)
味:4(生たばこで香りのよいたばこ)
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ちょうどCC2015を吸っているので、戦前ダンヒル・バーリングと吸い比べる事になりました。
飴をなめているような、薄くて軽くて甘さが出ます。
ボウルからの煙は臭みもなくかなり上品な感があり、エアフローも行い安いです。
終盤にかけて少し辛さが出て、その後、味も薄らいでしまいました。
戦前モノには敵いませんが、二時間くらいの映画や野球を見ながら気楽に吸うのに良いパイプです。
チムニーシェイプは序盤に細く長いボウルに詰められたタバコ層を煙が通過します。
タバコそのものの燻煙がよいものを選ぶ楽しみがありそうです。
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リップスロットの作りはいまいちですね。
1950年代の広告にこのパイプが35Aがありました。(2016/1/15)
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今の4万~7万円くらいかな。(55年として6480円(1$=\360) 、公務員初任給8500円)
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eBayオークションの商品紹介(2015/10/14)
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This listing is for a Castello Sea Rock Briar estate pipe, Zulu, 35/A with a fish tail bit.
The 3 in the 35 represents the shape and represents that the carving is unique in some aspect.
Made in Cantu.
It has been fully refurbished and is ready to smoke.
It does have a 'jewel' in the stem.
The registration #66171N.
It is 6 1/4" long,
bowl height is 2 1/8" and
inner bowl diameter is .68".
 
Zg

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他のパイプですが、Castello SEA ROCKの解説です。
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当出品は英国「DUNHILL」と並ぶ、イタリア高級パイプブランド「Castello SEA ROCK BRIAR」 。
なんだ、イタリアンパイプかぁ、なんて思う方もどうぞ最後までお読み戴ければ新たな発見があるかもです。(笑)
カステロともカステッロとも呼ばれ「CASTELLO」は伊語で「城」を意味します。
創業者はファンタジーな名前が欲しかったので、城=ファンタジーを想定させるってことで「CASTELLO」に決めたそうです。
1947年5月17日に「Carlo Scotti(カルロ・スコッチ)没1988年」が、イタリアのCantu(カントゥ)で創業したのが始まりで、高品質で斬新的なデザインのパイプを製作し、現在イタリアを代表するパイプメーカーとなりました。
グレードはラスティック仕上げの「Sea Rock」「Old Sea Rock」「Natural Virgin」、サンドブラスト仕上げの「Antiquari」「Old Antiquari」、スムース仕上げでは「Trademark」「Castello」「Collection」、その他「Perla Nera」「Epoca」「Flame」「Perla Nera」「Great Line」「Fiammata」「Occhio Di Pernice」「Antiquari」「Old Antiquari」「Collection Great Line Fiamatta」など多々のグレードがあります。
とくにサビネリのシーコーラルやダンヒルのシェルに似たラスティック仕上げによる「Sea Rock」「Old Sea Rock」が人気で、エアフローが良く喫味も美味いと定評のようです。
パイプスモーカーなら大概が知っているほど有名な「G.L.ピース」、ブレンダーとしてだけでなく、この「CASTELLO」パイプコレクターとしても有名で、常用にも愛用するほどの大ファンだそうです。
とくに「Sea Rock」にベタ惚れで、ましてやタバコ葉のブレンダーが常用するほどの喫味ってどうなのよ?
とんでもなく美味いのかしら?って、想像してしまいます。
詳しくは「G.L.ピース」のホームページ「Pieces from My Collection」に色々と書かれてますので、ご自身でご確認下さい。
イタリアらしい高いデザイン性を感じさせる数々のラインナップ、当パイプはその中でも絶大な人気を誇る「Sea Rock」です。
この「Sea Rock」は剣山のようなブラシで一本一本削り出す、まこと手間を掛かけて仕上げられ、見る角度によって表情が変わるのが魅力です。
ボウルの大きさはサイズコード「SB」で、後年のサイズコード「KK(2K)」に当たります。
この当時は小さい順から「SA」「SB」「SC」「SS」となってました。
チャンバー容量の目安としてはダンヒルのサイズグループだと④辺りに該当し、扱いやすい大きさだと思います。
ステムには「white bar logo(ホワイトバー・ロゴ)」と呼ばれる埋め込みが入ってます。
当初はアイボリーカラーの象牙でしたが、いつ頃からかプラスチックに変わり、バーの長さも均一でないようです。(これが分かれば製作年代も絞れるのですが)
当ステムには少し変色したアイボリーカラーのバーが象嵌されてますが、材質は不明です。
イタリアのパイプはアクリルのステムが多用されてますが、「Castello」のアクリルステムは繊細な造りで咥えやすく、歯触りはエボナイトと比べても遜色がないと好評です。
シェイプは軽く前傾させたピストン型ボウルに、ボウルの高さ長より短いシャンク長でサドルビットのステムを組合わせたビリヤードです。
ボウルに比べ、細く短いシャンクのせいか、そのアンバランスさがデフォルメっぽくて可愛い印象を持たせてくれてます。
こういうところがイタリアンデザインなのでしょうか、極クラッギーな面構えとの融合に魅力を感じさせてくれます。
製作年度については、ダンヒルやアシュトンのようなデートコードと呼ばれる数字・記号等がありませんのでピンスポットで知ることができませんし、私自身勉強不足もあり正確さは不明とさせて戴きますことをご容赦願います。
分かっていることで言えば「Sea Rock」の場合、サイズを表す「K」刻印以前の「S」レターサイズ期コード「SB」刻印であること、「CARLO SCOTTI」刻印が打たれてないこと、ステムに「HAND MADE」刻印が打たれてないことから1950年代-1960年代以初期に当たるようです。
しかしながら製作年代は別として、この「Sea Rock」、ダンヒル「Shell」の1920年代あたりのクラッギーな面構えを髣髴させます。
いえ、それ以上のクラッギーさではないでしょうか?
この「Sea Rock」の魅力は下染めのブラウンに濃厚なプラムカラーのダブルステインで仕上られ、長年使用しているうちに手に触れる凸部のステインが退色し、下染めのブラウンが顔を出し、味わい深い自分色に愉しめるのも魅力の一つです。
シェイプデザインも喫味も一級品と言われる「Castello」、それも極美品でコレクテイブルな「S」レターサイズ期の「Sea Rock」です。
Castelloファンの方やコレクターの方、どうぞ宜しくご検討戴けたらと思います。
 
Wv

シーロックのテクスチャ製作の動画がありました。

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