Dunhill Shell Briar 259
年代判定はデートコードから1965年(昭和40年)と判断できます。
60年代シェルは黒く浅いブラストが多いですが、このパイプには深くブラストがかかっています。
また、下地のダークレッドブラウンが使い込まれて良く出ています。
前の所有者は、かなり愛着があったのでしょう。
日常の使んで下地の色が出てくる点は「根来塗」に似ていますね。色の出方は逆ですが。
<根来塗>
戦国時代、和歌山県根来寺で使用されていた最も古いとされている日用漆器。
古い朱漆器は、長年の使用で表面の朱漆が摩滅して、下地の黒漆が所々模様のように浮き出します。
江戸期には「根来」「根来もの」として珍重され、現在でも重要文化財にも指定されています。
昭和2年(1927年)パイロット設立者の並木と和田は、蒔絵の万年筆でダンヒルを訪れ商談を結んでいます。
同8年にパイロット蒔絵師の松田権六(人間国宝)は、英国ダンヒルを訪問しパイプの漆加工を指導を行いました。
氏の記録には、巨大なオーブンを使用しオイルキュアリングする様に驚きと納得の感が記されています。
ダンヒル社にとっても、日本独自の漆技法は、興味深いものであったと思われます。
・全長:145mm・ボウル高30mm
・外径:35mm・内径:18mm・深さ26mm
・重量:24g
弓ぞりタイプのプリンスシェイプです。
同じプリンスの「314」と比べ、ステムの曲げ方に少し「へ」の字感があります。
直線「258」で製作していて、途中でベントに変えたのかもしてません。
外観:5
感触:5(咥え心地)
味:2(バージニア専用)
ブリュイエールは和菓子に使用される高級の砂糖「和三盆」のような上品な甘さですが、
シェルは「綿あめ製造機」と称されるフワフワの甘さが出るパイプです。
プリンスでサイズ①ではボウルの容量が小さすぎて、オイルキュアを楽しむには少し厳しいです。
スリーナンズやダークツイストのようなコインカットを重ねていれるか、ダークストーブド・バージニアを固く詰めて吸っています。
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