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2016/04/19

Barling Make 1374

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1946年(昭和21年)-1949年(昭和24年)の戦後に作成された「生make」です。
米国ルーズベルト、ソ連スターリン、英国チャーチルは、戦後世界の枠組み見据え利害調整に入っていった時代です。
しかし、英国は1947年に大寒波が襲い、また先の戦争で残した莫大な借金は英国経済蝕み、衰退の一途を辿ります。
 
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1952年までのバーリングは、黄金期と呼ぶにふさわしい傑出したパイプです。
民藝運動の柳宗悦は、名も無き職人の手から生み出された日常の生活道具を「民藝」と名付け、美術品に負けない美しさは生活の中にある唱えました。
各地の風土から生まれ、生活に根ざした民藝には、用に則した「健全な美」が宿っている。
 
柳は「民藝品」の特性を次のように説明している。
 
  実用性。鑑賞するためにつくられたものではなく、なんらかの実用性を供えたものである。
  無銘性。特別な作家ではなく、無名の職人によってつくられたものである。
  複数性。民衆の要求に応えるために、数多くつくられたものである。
  廉価性。誰もが買い求められる程に値段が安いものである。
  労働性。くり返しの激しい労働によって得られる熟練した技術をともなうものである。
  地方性。それぞれの地域の暮らしに根ざした独自の色や形など、地方色が豊かである。
  分業性。数を多くつくるため、複数の人間による共同作業が必要である。
  伝統性。伝統という先人たちの技や知識の積み重ねによって守られている。
  他力性。個人の力というより、風土や自然の恵み、そして伝統の力など、目に見えない大きな力によって支えられているものである。 
 
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まさにバーリングを示すような言葉です。
1979年、名門バーリング社も英国病と共に192年の幕を閉じる事になります。
奇しくも同年にサッチャーが首相に就任し、英国経済は大きく回復する事となります。
 
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 ・全長:135mm・ボウル高44mm
 ・外径:33mm・内径:18mm・深さ38mm
 ・重量:32g
 
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サンドブラストの生MAKE(YOW/Fossilの刻印なし)は少なく、主に英国国内からで出てくる事が多いようです。
ニコルスシェイプ番号は「1374 EL」オーソドックスなビリアードです。
大きなサイズが人気のバーリングですが、私は日常使える小さなサイズが気に入っております。
 
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外観:4
感触:4(咥え心地)
味:3(オールラウンド用)
 
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バーリングのサンドブラストは初めてです。
樹齢100年以上のアルジェリアンはいいですね。
板ガムのようなフラット・サドルビットは、軽量で薄く、重量バランスもよく考えられていいます。
 
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飾り気のないシンプルなデザインですが、職人の技術が凝縮されています。
「生make」らしく、日常のローテーションに使用していくパイプです。
 
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Yahooオークションの商品紹介
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「Barling's」は古き良き時代、「Pre-Transition時代(1960年以前)」と呼ばれる製作年代のパイプにおいては、コレクターやスモーカー達にとってグレイトな憧れのオールド・ブリティッシュブランドで、大半が革新的なステム・・・フラットサドルビットと称されるスマートなステムを装着してます。
当個体はそのコレクティブルな「Pre-Transition」時代に製作されたパイプです。
「Barling's」は、1812年にベンジャミン・バーリングがロンドンで設立した工房で、当初は銀細工を施したメシャムパイプを製作していました。
その後ベンジャミンの息子達が事業を引き継ぎ、1851年の英国で開かれた万国博覧会で受賞し名声を得、1854年からブライヤーパイプの製作を始めたとされてます。
Pre-Transition 時代の「Barling's」は、どのグレードも樹齢100年以上の高品質アルジェリア産ブライヤーを使用し、1本1本最高の技術を持った職人達が完全なるハンドメイドで製作してました。
ですが、やがてバーリング家は1960年にインペリアルタバコ社に会社を売却し、2年間はそのまま職人達も引き継ぎましたが1963年からは新体制に向けての改革に入り、1968年には完全に移行を終えました。
そして、ほとんどのパイプ製作をデンマークのパイプ工房にOEM委託し、1970年代後半~1980年代初頭あたりに別オーナーへ売却され、英国マン島に同名ですが別オーナー体制の「Barling Pipe Ltd.」へ移行し、現在も製作され続けています。
コレクティブルなバーリングは売却される前の1960年以前の製作品となり、その時代を「Pre-Transition時代」と称されてます。
当個体は、コレクター達から俗に「生Make」と呼ばれる「Barling's Make」のスタンプのみが押された一番ベーシックなスタンダードモデルです。
とは言っても、今にない樹齢100年以上のブライヤーを使って製作された高品質なパイプなので、スタンダードといえども贅沢なパイプだと思います。
サイズは「EL(Extra Large)」が刻印されてますが、現代においてはレギュラー的なサイズでオールドダンヒルのグループサイズでは③-④辺りになるかと思います。
シェイプは標準的なクラシックビリヤードで、シャンクには水平にカッティングされたバーリング独特のフラット・サドルビットと称されるステムが装着されたシェイプです。
全体的に引き締まってバランスが取れた美しいクラシックビリヤードだと思います。
バーリングが崇められる真骨頂は、柔らかなシルキーのようなハイ・スモーキングクオリティだと言われてます。
煙草葉のブレンダーとして名高い「G.L.ピース」氏も新商品開発の際は、このオールドバーリングでティスティング(喫味調整)してることは周知に知られた有名な話です。
製作年代については、ダンヒルやアシュトンのようなデートコードやイヤーコードもなくピンスポットでの特定はできませんが、次ぎの刻印情報からある程度の年代を絞ることが可能です。
・1960年に売却される以前、Pre-Transition時代のメーカーマークはブロック体大文字でアーチ状の刻印(Guinea GrainとPipeletを除く)になります。
・2桁または3桁のシェイプNo.はバーリング家最後のオーナー「ニコルス」が考案したもので、1960年まで使用されました。
 ただし、4桁のシェイプNo.でも頭に「1」が付いたNo.はサイズコードではなく、ヨーロッパ/英国内向け販売のコードとなっていて「Pre-Transition時代」の製作になります。
・大きさを表すサイズコードが刻印されたのは1943年から1962年までとなっており、当パイプには「EL」が刻印されてます。
・ステム裏の刻印「REGD 42/8968」は、1942年-1949年までの仕様となってます。
以上のことからオーバーラップする「1943年-1949年」の製作になると思ってます。
(※これらは当方個人の考えなので参考程度に留めて戴き、誤記の際はご容赦下さい。)
・ステム表側のバーリングクロスと呼ばれる「BARLING」の文字が縦横十字に交差したロゴが打たれてますので、オリジナルステムと分かります。
オーナーに持つ喜びを与えてくれる逸品になるであろう「Pre-Transition時代」の当オールドバーリング、高品質のブライヤーを使用しハンドメイドで仕上げられた繊細な味わいを魅せると言われる喫味を愉しんで戴けたらと思います。
ヴィンテージとの出会いは一期一会とも申します。
もしかしたら本当に二度とは会えないかも知れないという思いと、その価値を共有できるご理解ある御仁に使って戴けたら幸甚です。
■商品状態
・外観には目立つような疵や凹み等はありません。
・ボウルチャンバー下部内壁に浅い感じのヘアライン状のクラックが数本見られますが、強い炭化等やバーンアウトは見られません。(画像参照)
・ボウルトップリムはやや黒ずんでますが、バッティング痕や焦げ炭化は見られません。(画像参照)
・ステムはリップ周りに噛み痕やスレ疵は見られませんが、表裏面に僅か薄い歪みがあります。
・ステムは少し甘いかもですがガタつかず、ルーズとは感じません。
・その他コンディション状態等は、画像でご判断戴きますよう願います。
・コンディションに関して何か疑問等ございましたら入札前に遠慮なくご質問下さい。
 素人なりに分かる範囲でお答え致します。
・当方で気付いた瑕疵は総て記載したつもりですので、ノークレーム・ノーリターンでお願います。
が、記載なき重大な瑕疵等がありましたら速やかに対応させて戴きます。
当出品は画像のパイプのみで、袋・箱等は付属致しません。
■刻印・サイズ
・メーカー:Barling's
・グレード/モデル/仕様:スタンダードモデル
・シェイプ:Flat Saddle Bit Billiard
・シャンク裏側刻印:ブロック体でアーチ状に「BARLING'S」「MAKE」
         「1374」「EL」「MADE IN LONDON」「ENGLAND」
・ステム上刻印:縦横に十字交差した「BARLING」ロゴ(薄いです。)
・ステム裏刻印:REGD 42/8968(薄いです。)
・フィルターには対応してません。
・全長:約135mm
・チャンバー径:約18mm
・ボウルの最大径:約33mm
・ボウルの高さ:約44mm
・チャンバーの深さ:約38mm
・重量:32g
 
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