Dunhill Bruyere 142
1926年(昭和元年)と1973年(昭和48年)の48年差のBruyereで同じダブリンシェイプ142番です。
「1926年ロンドンの美しいカラー映像」で検索すると1926年のロンドンを見る事ができます。
映画撮影技師クロード・フリースグリーン氏が、約1350kmにわたる英国全土の撮影旅行を行っった際に撮影したもです。
英国経済は停滞時期を迎えていた時代ですが、当時の美しい倫敦の街並みは現在と変わらぬ感覚があり驚きました。
アルフレッド・ダンヒルは54才。2年後には会社を辞めて愛人と出奔してしまいます。
アルフレッドの娘で、後に三代目社長となるメアリー(20才)はダンヒル化粧品部門でマネージャとして働いていました。
ダンヒルの事業は順調で、パイプだけでなく、王室御用達も頂きライターや化粧品と拡大していました。
・・・時は流れ・・・48年後・・・
メアリー社長の人生も波乱万丈であったようです。
激動の時代で2本のパイプがどのように変わったかを比べてみたいと思いそろえてみました。
1926年
・全長:150mm・ボウル高47mm
・外径:33.5mm・内径:20mm・深さ39mm
・重量:34g
刻印は「Ao DUNHILL LONDON MADE IN ENGLAND 6」「"INNER TUBE" PATENT No. 1130806/15 142」
インナーチューブ「PAT.No5861/12」
古いホワイトスポットは象牙でクリーム色
1973年
・全長:140mm・ボウル高49mm
・外径:32mm・内径:19mm・深さmm
・重量:31g
刻印は「142 F/T DUNHILL BRUYERE」「MADE IN LONDON13 ④A」
大戦もはさみ48年も差があると、さすがに同じシェイプ番号でも違いがかなりあります。
1926年
外観:3
感触:3(咥え心地)
味:4(バージニア)
黄金期のBRUYEREは上砂糖のような甘さですが、このパイプはナッティー感が強くべっ甲あめの味です。
火皿からの煙が中盤から後半にかけて変化し、飽きのこない複雑な味わいが楽しめます。
1973年
外観:3
感触:3(咥え心地)
味:?(バージニア)
まだ吸っていいません。
週末に体調を整出て、同時に吸い比べて、レビューしますね。(^^)/
週末に体調を整出て、同時に吸い比べて、レビューしますね。(^^)/
(2017/03/20)
個別には吸っていたのですが、同時に吸ってみました。
個別には吸っていたのですが、同時に吸ってみました。
1/3も過ぎると、味の濃さか圧倒的に旧が強いです。
吸い比べていると甘さ強すぎて、新のがホットする感もあります。
しかし、半分を過ぎたあたりから、新は大幅に失速し味が薄れてゆきます。
吸い比べていると甘さ強すぎて、新のがホットする感もあります。
しかし、半分を過ぎたあたりから、新は大幅に失速し味が薄れてゆきます。
ブライアー産地もカラブリアをギリシャ産で異なるので、全く別のパイプなので比較にならない感はあります。
1967年前後「ダンヒルのラスト・ガプス(断末魔の叫び)」時代を手に入れて比較してみたいものです。
1967年前後「ダンヒルのラスト・ガプス(断末魔の叫び)」時代を手に入れて比較してみたいものです。
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Yahooオークションの商品紹介(1926年版)
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PATENT DUNHILL Bruyere 142 Classic Dublin"INNER TUBE" 1926年
オールドから現代までブリティッシュを代表する「DUNHILL」のクラシックシェイプと言われる中の1本「Bruyere 142 Classic Dublin 1926年」です。
1907年7月7日にアルフレッド・ダンヒルよって創業された英国王室御用達(1921~)の高級パイプメーカーとして最も有名で、パイプスモーカーにとって憧れのブランドです。
ヴィンテージ時代のグレードには、創業時「Bruyere (A)」1910年代に「Shell (S)」が登場、1930年代には「Root (R)」が登場し、1950年代は「Tanshell (T)」が登場、1970年代に入ると「Red Bark (R/B)」も仲間入りし、それぞれが特徴的でありブライヤーの採取地・質が違います。
なので、おそらく喫味も違うのだろうと思います。
だいたい20年毎に新グレード、新ブライヤーが登場してます。
この時代の「A」刻印は「Bruyereの短縮コード(A)」の意味ではなく、「Aクラス・・・最上のブライヤーを使用している。」と意味で打たれたようです。
ダンヒルはブライヤーの紋様に重点を置きませんが、ここでいう最上とは樹齢が高く、埋めやサンドピットもないブライヤーを指してます。
当シェイプNo.「142」は、古くからあるクラシックシェイプのひとつ「Dublin」と称される優美なシェイプで、起源はかなり古く1870年代には既に作られており、数あるクラシックの中でも最古に類するシェイプです。
トップからボトムに掛けてスラリとしたボウルの微妙なテーパー具合、そしてボウルを僅かに前傾させた直立に近いフォルムに緩やかなテーパーを掛けたややロングのステム、艶やかさと気品溢れた上品で美しいスマートなダブリンになってます。
この美しいクラシックシェイプのフォルムは、飽きることのないオールドブリティッシュの魅力の一つではないでしょうか。
製作販売年度はパテントナンバーやダンヒル独特のデートコードと呼ばれる数字によりピンスポットで知ることができます。
デートコードは1922年から打たれましたが、それ以前はパテントナンバーやその他の刻印から絞り込むことが可能です。
当パイプのパテントナンバーは「PATENT No. 1130806/15」で、1924年から1926年の間に使用されたパテント刻印です。
そしてその上の行にある刻印は「"INNER TUBE"」で、「Bruyere」のみに1932年まで使用されました。
デートコードが「6」ということで、アルフレッド時代の1926年製作になります。
また、ステムには貴重な象牙を象嵌したホワイトスポットと登録意匠番号「REG.No 654638」の刻印が薄いですが残ってます。
「"INNER TUBE"」刻印同様、1932年まで使用されました。
私個人の推測なので、違ってました場合はご容赦下さい。
当パイプが製作される前の1923年に英国ロンドンに株式会社を創立し、翌年1924年には加国トロント・仏国パリでも現地法人を興しました。
同時に新たな商材としてライターの製作販売が始まり、アルフレッド・ダンヒルが「パイプの本」を執筆出版した年でもあります。
この頃からダンヒル社は飛躍的に伸び、大きく発展していきました。
ちなみに「アルフレッド・ダンヒル」は1928年に引退し、実弟の「ハーバード・ダンヒル」が引継ぎました。
その当時の取締役工場長は、アルフレッド次男の「ヴァーノン・ダンヒル」が務めてます。
このような激動な時代に製作された、アルフレッド時代の当ダンヒルの完全オリジナルは貴重なコレクティブルな逸品になろうかと思います。
ダンヒルはブライヤーの紋様に重点を置きませんが、それでも当パイプにはボウル右側からシャンクに掛けて見事なクロスグレインとタイガー(ゼブラ)グレインが走ってます。
ブリュイエールはオールドカラーと呼ばれる、濃いプラムカラーのステインで纏われているため紋様はあまり見えないのですが、当パイプは経年のため若干ステインが薄くなり魅惑的な紋様が浮かび上がってます。
この時代のホワイトスポットは貴重な象牙が象嵌されてますので、これもコレクターには堪らない魅力のひとつだと思います。
高樹齢のカラブリア(イタリアナポリ南部)産の熟したオールド・ブライヤーを使用し、約90年も前に製作されたアルフレッド時代のパテントダンヒルで、ダンヒル・フリークやコレクターにはたまらない稀有なダンヒル初期時のオイルキュアリングの味わいを愉しめる・・・非常に価値がある逸品かと思います。
コンディションについては下段に記しましたので、画像でのご確認と記事にお目を通して戴ければと思います。
ヴィンテージとの出会いは一期一会とも申します。
今後、このようなパイプにもしかしたら二度とは会えないかもしれないという気持になり、その価値を共有できるご理解ある方に使って戴けたら幸甚です。
【刻印】
・シャンク左側:「Ao」「DUNHILL」「LONDON」
・シャンク右側:「MADE IN ENGLAND 6」「"INNER TUBE"」
「PATENT No. 1130806/15」「142」
・ステム上部:ホワイトスポットの象嵌
・ステム裏側:「REG.No」「654638」
・インナーチューブ:「PAT.No5861/12」
【サイズ】(素人採寸ですが、簡易ノギスと調理量りで測りました。)
・全長:150mm・ボウル外径:33.5mm・チャンバー口径:20mm
・ボウル高:47mm・チャンバー深:39mm・重量:34g
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