Dunhill Roor Briar 111 DRA
1960年(昭和35年)のROOT Briarでダンヒル社フラグシップ・モデルDRA(Dead Root Grade A)です。
「The Billiard Master」の名を欲しいままにしたダンヒル社の完璧にしてシンプルな逸品です。
「The Billiard Master」の名を欲しいままにしたダンヒル社の完璧にしてシンプルな逸品です。
1927年発行「about Smoke」アルフレッド・ダンヒル著によると
ブライアは採掘時、地上部が生きているものを「Briar」、枯れているものを「Bruyere」と呼ぶ。
「Bruyere」は地下で長い時間をかけ乾燥しており、その過程で繊維が閉じきめ細かいグレインを形成している。
「Briar」は残留している樹液を取除く必要があり、その工程で抜けた跡が孔を作り多孔質になる。
そして「Dead-root」は、数世紀を生きた後に自然に立ち枯れた「Bruyere」の根茎である。
(DRは商標で立ち枯れた根茎ではないとの記事もありますが、about Smokeには立ち枯れた根茎と記されている)
ブライアの立ち枯の条件は地質等も関係があり以下の資料に記載されています。(http://acta.asablo.jp/blog/2009/12/01/4731697)
ブライアの立ち枯の条件は地質等も関係があり以下の資料に記載されています。(http://acta.asablo.jp/blog/2009/12/01/4731697)
アルフレッド・ダンヒルの「DR」は、立枯れた最高級ブライアを使用していた事がかわります。
面白いのは多孔質を是としていない点です。
地上部が生きている若い「Briar」は、白っぽい色をしている。
そして樹液を抜く工程で多孔質の状態になる。
これは安価なブライヤーのパイプが臭くなる原因です。。
デッドルートの細かいグレインは本来の旨さを損なうことなく長期間使用できる。
喫煙時にでる水分はブライアに吸収させたいが、タール等は染み込ませない。
タールが長期的に使うとパイプを臭くしていると考えているのではないでしょうか。
確かにジュースのわきやすいパイプやはSAメソッドをかけてもすぐに嫌な臭いがつきます。
グレインと味は関係ないとの話もありますが、DRの特徴である「きめ細かいグレイン」は長く美味しく吸う為に役にたっている。
そういう意味では、カーボンもブライアからタールを防ぐ役割をはたしているのかもしれません。
・全長:155.7mm・ボウル高42.7mm
・外径:33mm・内径:20mm・深さ36mm
・重量:31g
刻印は「DR」「111A」「DUNHILL ROOT BRIAR□」「MADE IN INGLAND_0」「③R」
「ROOT BRIAR」右下の小さな四角の刻印は、古いDRに刻印されており価格に関係していると言われています。
シェイプ番号はピンゾロで、英語では「snake eyes (蛇の目)」と呼ばれています。
DR+「A~J」のグレードが刻印は1949年~1970年頃までです。
1950年頃から、DRは標準ラインで製作され始め、少ないとは言え生産本数が増加しました。
1950年頃から、DRは標準ラインで製作され始め、少ないとは言え生産本数が増加しました。
外観:4
感触:4(咥え心地)
味:4(オールラウンド)
アンスモークに近い状態で格安に落札できた大当たりです。
オイルキュアリング特有のピーキーな味の濃さ感はありません。
しかし、煙に独特のなめらかさと深みがあり、特にボウルからの良い香立ちは素晴らしいです。
バーリングに近く、自然乾燥されたブライアの証ではないでしょうか。
この時代のRoot Briarはコルシカ産ブライアですが、DRの産地は不明です。
・・・と言うのも、上図を見ると、複数のスタンメルが取れるのを、ストレートグレインのために一つだけにしている事がわかります。
最高級グレードのDRは産地より、古いブライアが選別されていたと思います。
(バーリングはブライアの古さでグレードを分けていたので判別は可能)
・・・と言うのも、上図を見ると、複数のスタンメルが取れるのを、ストレートグレインのために一つだけにしている事がわかります。
最高級グレードのDRは産地より、古いブライアが選別されていたと思います。
(バーリングはブライアの古さでグレードを分けていたので判別は可能)
グレインはきめ細かく川の流れのようで、バーズアイが渦をつくり、枯山水のような良い味をだしています。
個人的には完全なストレートグレインもよいですが、吸いながら眺めるにはことらの方が好みです。
しかし、ダンヒルの極上はオイル・キュアリングにあり、エア・キュアリングであればバーリングが一枚上ですね。
しかし、ダンヒルの極上はオイル・キュアリングにあり、エア・キュアリングであればバーリングが一枚上ですね。
1970年以降のダンヒル戦略は、生産性やコレクテビティを優先した商品になった感があります。
「about Smoke」(1927年)やDR広告(1930年)を読むと、アルフレッドは最高の吸い味を提示すべく「DEAD-ROOT」を出した事がわかります。
パイプは本棚を飾るものではなく、使って使って使い倒して楽しんでもらう事が本望なのかと。
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