Dunhill Shell Briar 34
1953年(昭和28年)で、戦後8年が経過したパテント期のShell Briar 34番です。
この年の英国は、大戦の傷が残っており、砂糖と肉も配給制の時代でした。
しかしエリザベス女王が就任し戴冠式が行われ、国は沸き立ち、経済も回復に向かい始めた年でもあります。
日本は吉田茂首相がバカヤロー発言で解散に追い込まれた年です。
「Japan's Rising Sun3」は1953年の国内風景がカラーフィルムで残されています。
製造された年の風景を見ながら吸うパイプは味わいがあります。
戦前と比べるとブラストは少し浅いですが、滑り感とエッジ感の両立がある面白いテクスチャです。
また、使用頻度が低く黒ステインは全面に残っています。使込んでいくのはのが楽しみです。
・全長:132mm・高さ44mm
・外径:28mm・内径:19mm・深さ39m
・重量:?g
刻印は「34」「DUNHILL」「SHELL BRIAR」「MADE IN LONDON_3」「PAT,No 417574/34」「②S」
ホワイトスポットはアクリルの埋込みですが少し透明感があります。
煙道のコンセントリシティー(ボウル、ステム、マウスピースの穴が一直線上にあいていること)も完璧です。
外観:4
咥えやすさ:3
味:5(ヴァージニア)
第二次パイプブームが始まって、量産化の進み始めた時期ですが・・・すごく旨いです。
円熟した技術と良質ブライアが、精度の高いエアフローと高感度な味わいを実現しています。
あまり使用されていない事も良いのかもしれません。
クラシックのビリヤードは、火皿内の温度が的確に把握でき、タバコの燻される速さも最適です。
ジュースもモールで取りやすく、タバコを美味しく吸う理想的な形状だと思います。
<理想のビリヤード>
ビリアードには黄金比が使われています。
火皿と煙道の垂線が直交する位置からボウルトップ:ダボ:リップエンドが1:1.618:3.236
この黄金比で内径と煙道から計算すると以下のスペックがでてきます。
内径18mm、煙道2.9mm、火皿厚4.5mm → 全長131mm、ボウル高さ43mm
内径19mm、煙道3mm、火皿厚5mm → 全長134mm、ボウル高さ45mm
まさに、シェイプ番号の34番②と35番③がでてきます。
少しずんぐりしたシェイプと評されますが、これがスタンダードな形なのです。
見える部分ではなく、煙が通る内部に黄金比が埋め込まれているのは面白いですね。
1848年に世界で最初にブライアをパイプ商品化したのは、フランスのコモイ社です。
初代フランソワ・コモイと息子のルイ・コモイが、パイプを旋盤で大量に生産する為に設計図を引いたはずです。
この設計段階で黄金比が埋め込まれたのではないでしょうか。
やっぱりビリヤードが最高!
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