Dunhill Bruyere 56
1940年(昭和15年)で、珍しい戦時下のBruyere 56番です。
1940年9月、ドイツは「ザ・ブリッツ」と呼ばれるロンドン空爆を8ヵ月間にわたり行います。
ジャーミン通り(デューク通りから拡張された)にあったダンヒルの店舗も爆撃をうけます。
ロンドン空爆は細かく記録が残てっており、1940年10月7日~1941年6月6日の夜間爆撃であったとわかります。
1942年アルフレッド・ダンヒルJrが屋外で仕事する写真が残っています。
しかし、ドイツの通商破壊戦による物資不足で、販売を相当限定していました。
戦後も英国は莫大な借金で物資と資金の不足が続きます。
しかし、ダンヒル社の熟練工がほとんど無事に仕事に復帰できたようです。
しかし、ダンヒル社の熟練工がほとんど無事に仕事に復帰できたようです。
戦後になっても物資不足は解決せず、ダンヒルが新しいカタログを出せるのは1950年の事になります。
シェイプ番号30~70はダンヒルが量産化を行う為に設計された基本モデルです。
この1910年代の広告をみると、不思議なことに55番が欠番になっています。
50~52番:ベントアップル + 極太シャンク
53番:やや樽状のボウル + 通常シャンク
54~56番:ベントビリアード + 通常のシャンク
53番は55番に近いため、アップル気味の53番が人気が出ると判断されたのではないでしょうか。
実際に製造されたパイプを見ると、54→53→56の順でサイズが大きくなります。
正面からみると樽状ボウルなので53番のシェイプのひっぱられたのかもしれません。
・全長:132mm・高さ44mm
・外径:xxmm・内径:xxmm・深さxxm
・重量:xg
バフアウトしていますが、右に「A□」「DUNHILL LONDON」左に「MADE IN ENGLAND0」「PATENT No 197365」「56」
ホワイトスポットは埋込みで金縁のクリーム色です。
万力で挟んでリーミングしたのか、ボウルの側面とトップにキズがたくさんあります。
先の大戦を生き抜いた古強者の風貌ですね。
外観:2
咥えやすさ:3
味:5(ヴァージニア)
ヤフオクで写真は白飛びしていますが、ステインが失われ、エッジも削れており、狙う人も少なかったようです。
正直あまり期待しておらず、時代的に珍しいので落札したパイプです。
正直あまり期待しておらず、時代的に珍しいので落札したパイプです。
レストアも大変でしたが、ボウルの内部は良好です。
モールがボウルの底までスッと届くのは感動します。
モールがボウルの底までスッと届くのは感動します。
吸ってみると、オイルキュアリングのバランスは良く軽やかで実にうまい。
ブリュイエールらしい上白糖のような甘味が最後の最後まで楽しめます。
ブリュイエールらしい上白糖のような甘味が最後の最後まで楽しめます。
同じ戦時下でも、戦争の序盤と終盤や戦後では状況が大きく異なります。
このパイプには、WW2が始まり間もない時期だったので、戦前の技術が生きているのかもしれません。
素晴らしいく美味いパイプで、大変気に入っております。
素晴らしいく美味いパイプで、大変気に入っております。
これあるからオールド・ダンヒルはやめられないんですよね。
ホームズは、パイプから、その人の人相・風体を推理するシーンがあります。
「ずっしりとした猪首の者はブルドッグ、細身長身の者はビリヤード・・・などなど」
一方的に決めつけない次の科白は読者を唸らせますね。
「しかし、パイプは世に遍(あまね)いている為、約束事に囚われず色々試すのも好事家の好む所である」
</p
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<ベントについて>
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35番では、ビリアードの黄金比を紹介しましたが、ベントにも対称性の秘密があります。
やっぱりベント最高!
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