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2017/12/09

S.Bang

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デンマーク・コペンハーゲンのパイプ工房「S.Bang」のパイプです。
スベンド・バング氏は、1941年にパイプやタバコの貿易店を開きますが戦争で職を失います。
1945年「W・O・ラールセン」に勤務しタバコのブレンドや経営を行います。
196x年 O・ラールセンを説得し、ラールセンの店舗の地下にパイプ製作工房を作ります。
ラールセンのパイプは人気を博し、郊外の葉巻工場にパイプ工房を追加します。
ラスムッセンからの紹介でフォーマー(本名:ハンス・ジョニー・ニールセン)を工房に迎える。
(当時ラスムッセンは心臓病を患っており、若いフォーマを託されたそうです)
1968年に独立し、プレーベン・ホルム工房からピア・ハンセン氏を雇い「S.Bang」ブランドの店舗と工房を立ち上げます。
1971年には、アンネ・ユリエ工房からウルフ・ノルデンシェイマーが加わります。
ポール・スタンウェルとも親しかったようで、1970年からデザインの提供も行っています。
(と言ってもデザイン提供料はかなり安かったそうですが)

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小ぶりなパイプが多く、パイプ職人達が集まった工房のパイプの感があります。
バング氏は1984年に引退し、ハンセン氏とウルフ氏がブランドを引継ぎます。
二人はワンオフ作品のスタイルに変更し、現在もハイグレードなパイプ作家として活躍しています。
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このパイプは1970~1984年のバング氏時代のパイプです。。
シェイプはブランデーグラスが近いですが、不安定で自立しません。
写真では、何とかバランスをとっていますが、少しでも揺らすと倒れます。
丸く削られた底部にはバーズアイが一面に広がっています。

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このようにグレインが独特の立体的感がるように見えるのは、S.Bang技法だそうです。
鮮明(definition)と明暗差(contrast)の効果を得るために、二回の工程を経ているとの事。

 ・全長:140mm・ボウル高38mm
 ・外径:45mm・内径:20mm・深さ?mm
 ・重量:?g

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刻印は薄く「S.BANG COPENHAGEN」「HAND MADE IN DENMARK」「5」
 
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1970~1984年に製作され、スムースで一番下位のグレードになります。

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 <判定方法>
  1970年から採用されたグレードは「ブラスト、5、6、7、8、9、A、B、C、D(激レア)」があります。
  1984年のS.Band氏引退で、P.O.Sを「COPENHAGEN」から「KOBENHAVN」に変更します。
  1990頃から輸出モデルはハイグレードのみで、4桁コード(年2桁、シリアル2桁)が刻印されます。
  上記写真で各グレードが比較できます。

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外観:3
咥えやすさ:5
味:5(オールラウンド)

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咥え心地とエアフローはトップクラスの良さがありです。
チャンバーに特徴があり、リップ側に傾斜しています。
更に手前と奥で傾斜角が異なっているのに、ボウルトップは正円です。
いい仕事してますねぇ~。

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微妙な凹凸があり、グリップ感が楽しいです。
バング氏は職人気質な性格でステム作りにも妥協がなかったそうでモールがスッと通ります。
ブライアーも良く、オールドダニッシュパイプの素晴らしさが実感できます。

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・Svend Bang

  1941年 :パイプとタバコの貿易会社を起業するが、戦争ですぐに閉店となる。
  1945年 :W・O・ラールセンに勤務し、タバコブレンドや経営の業務を行う。
  1963年 :ラールセン店舗の地下にパイプ工房を作り、ラールセン製パイプを販売する。
  1968年 :独立する。プレーベン.ホルム工房からP.Hansen氏(1948-)を雇う。
  1970年 :グレードを刻印(ブラスト、5、6、7、8、9、A、B、C、D)
  1971年 :アンネ・ユリエ工房からU.Noltensmeier氏(1948-)を雇う。
  1975年 :工房をに引っ越す。店舗は閉店?
  1984年 :S.Bang氏が引退。P.Hansen氏とU.Noltensmeier氏が引継ぐ。
        :P.O.Sを「COPENHAGEN」から「KOBENHAVN」に変更する
  1985年頃:スタンウェルにデザイン提供
  1990年頃:輸出モデルは4桁コード(前2桁が年、後2桁がシリアル)にする
  1993年 :Sven Bang氏逝去。 

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1975年まで店舗と工房がありましたが、引越したあとは工房のみになったようです。
現在の工房の写真ですがそんなに広くないようでうす。

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ハンセン氏とウルフ氏が単独製作したモデルは、50万円以上する有数の超高級パイプです。
イニシャル「PH、UN」を合わせたモノグラムの刻印があるので判別できます。

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1970年頃「ハンドメイドにあらずんばパイプにあらず」と言われるくらい人気を博したダニッシュパイプ。
その一角を担ったバングのパイプでしが実においしいです。
特にユニークなチャンバー構造が、美味しさの秘訣ではないかと考えております。

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<現在の工房の写真がインスタに上がっていました>

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