有田静生 81 KAGAYA
有田静生氏が1981年に作成したパイプです。
根竹ステムは前から欲しいと思っていまいた。
竹根工芸の歴史は古く、平安時代に源頼義が馬の竹根鞭を奉納した記録があります。
現在でも傘やカバンの取っ手などに利用さています。
チャップリンの杖も日本の竹根が使用されていました。
竹根は地下30cmくらいで伸びる地下茎で、1年で約8メートルも伸びます。
節の部分から、ひげ根やタケノコが出てきます。
ステムに適した太さ(12~14mm)になるのは、芽生えて3~4年目です。
収穫後、油分を抜くために熱湯で煮込み、長期間乾燥させてひずみを減らします。
このパイプで使用されているのは、節の間隔が狭いので根本付近です。
均等な太さになりにくい部分で珍しいです。
各節目に「ひげ根」の跡がクレーターのように並んでいます。
正面から見るとサメの牙の形でとてもかっこいいシェイプです。
エッジ部分がうまくグレインとバーズアイの境目がわかります。
・全長:?mm・ボウル高55mm
・外径:?mm・内径:20mm・深さ3.5mm
・重量:?g
刻印は「蟻のマーク」「CARVED By S.ARITA」「81」「selected by KAGAYA」
有田氏は1977年に加賀屋(1962年創業)パイプコンテストで優勝し、42才でプロになりました。
1978~1986年ごろまでは、加賀屋の刻印が入ったタイアップのモデルが多くあります。
おそらく2000年から「年2桁」+「作品番号1~3桁」を刻印しています。
グレードの刻印も2000年からだと思います。
グレード:AA(4%:10万円以上), A(20%:7~10万円), N(35%:5~7万円), T(40%:3~5万円), S(3万円)
外観:5
咥えやすさ:5
味:5(ヴァ-ジニア)
根竹は丈夫な素材ですが、パイプの長い寿命を考慮し鉄心が入っています。
継目には水牛の角を入れ、竹の割れやすい部分が補強されています。
モールは底までスッと通り、程よいエアフローがあります。
重量バランスが良く、薄いリップでかなり咥えやすい。
吸い味は、ヴァージニアが上品な甘さで出るタイプです。
左手に持つと凹凸がちょうど良く手に納まる設計で、ボウルの煙が程よく鼻先に届く位置です。
有田静生氏のブログ(パイプの作り方載っています)
有田静生パイプギャラリー(リビングショップ安藤)
これを見ていると福禄寿を連想するようなもちーっとしたパイプや、直立するパイプも欲しくなる。
・・・いかん、懐が・・・
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