Dunhill Shell 59
ダンヒルらしい無駄を排した実用本位の作り。
煙道はスッとゆがみのない直線。
通称「綿あめ製造機(笑)」と呼ばれる1968年のShellです。
ダンヒルはオイルキュアリング時代でもアタリとハズレはあります。
その中で1966~68年のシェルは「鉄板」として現在も高値で取引されています。
これは、ブライアの供給と品質が低下する中、職人が絶妙のキュアリングをかけた事。
また工作機器の精度向上もあり、素晴らしいパイプに仕上がったようです。
「最後のあえぎ」と言われるこの時期のダンヒルは「ロスト・テクノロジー」と言えるのかもしれません。
59番はビリアードのスタンダードシェイプとして31/32①、34②、35③に続く④のサイズです。
タバコをおいしく吸うために無駄をそぎ落とした存在感があります。
・全長:141.2mm・ボウル高44.7mm
・外径:33mm・内径:20.5mm・深さ3.39mm
・重量:37g
刻印は「59 F/T」「DUNHILL」「SELL BRIAR」「MADE IN ENGLAND8」「④S」
外観:4
咥えやすさ:4
味:4(オールラウンド)
それなりに使い込まれたパイプでした。
チャンバーが少し焦げていました。
メンテナンスして吸うと・・・実にうまいパイプです。
メンテナンスして吸うと・・・実にうまいパイプです。
もう少し味の検出性能が高ければ完璧ですが、これから使い込んで確認します。
「名も無き職人の手から生み出された日常の生活道具には美術品に負けない美しさがある」
民藝運動の父、柳宗悦の言葉を思い浮かべる逸品です。
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こんにちは。
素晴らしいSHELLですね。
私もダンヒルのシェルは数本所有しておりますが、その魅力に取り憑かれてしまう人の気持ちにたいへんに共感致します。木材の個体差によって同時期のロットでもブラストの掛かり具合が全くのランダムなのは、作り手にとってもギャンブルのようなものでしょう。それ故に、一つ一つが特別の存在感を放っていて、所有する者にとっても自分だけの1本という気持ちにさせてくれるのがたまりません。
また、昔の人がポケットの中に入れて毎日毎日使い込んで初めて生まれる古びて丸みを帯びたシェルの佇まいにもたまらない魅力を感じます。
私は残念ながらダンヒルのシェルでは理想的な凄みのあるものは未だ入手出来てないのですが、Ashtonでは素晴らしいサンドブラストのものがたまたま手に入り、それは掛け替えのない愛用の1本になっております。
使い終えるたびにクロスで磨くひとときもまた楽しいものですね。
それでは失礼致します。
投稿: MEMO | 2018/02/25 06:56