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2018/02/19

三猿パイプ

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「見ざる・聞かざる・言わざる」の三匹の猿がレリーフ彫りされたパイプです。
国立のサンスモークで同じビリアードの非売品が飾ってあり、前から欲しいと思っていました。

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日光東照宮で有名な彫り物ですが、世界中でシンボルとして使われています。
古代エジプトやアンコールワットのレリーフにもあります。
インドの指導者ガンジーも、数少ない所持品に三猿像があった事は有名です。

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孔子の論語で「不見・不聞・不言・不行」と道教の「庚申信仰」がベースになったと推測されています。
日本には、8世紀頃の留学僧によって伝わったと言われています。

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ステムはケニア産「象牙」のようです。
透明感が少なく、縞目はあるのですがごくわずかです。

 ・象牙の見分け方。
  象牙:年輪のような「縞目」がある。暗い場所で光を当ててると透き通る。
  骨 :経年変化で黒い筋が入る
  プラスチック :模様なし

Xx

象牙の筋に沿って入るクラックは「時代のひび」と呼ばれます。

天然のカルシウム素材なので、熱と乾燥でどうしても発生してしまいます。
乳白色の中にスッと入った黒い筋は、独特の風情があって綺麗です。
Rebornpipesでクラックの修繕にチャレンジしていますが、ひびを消すのは難しいようです。

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刻印は「BRAIR」で銀巻に「STARLINGSILVER」
前の所有者は、海外で落札したそうです。
堅いブライアーで浮彫するのは、かなり手間のかかる作業だと思います。
見た目が近い「七福神」レリーフのパイプを紹介しているHPを見つけました。

https://take5255.exblog.jp/24263921/
戦後、1950年頃にイタリアからブライヤーが輸入されるようになり、柘植はブライアパイプを作り始めました。
特に象牙彫刻家にる伝統的モチーフ(富士、三猿、東照宮、芸者、動物)を浮彫で彫刻しました。
帝国ホテル、横浜高級クラブ、PX(アメリカ軍売店)や酒保で、お土産として進駐軍に販売され、当時人気があったそうです。
柘植の刻印は、1950年代初頭が「ESTERD」で、その後「ESTERD TOKYO MADE」になります。

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このパイプは刻印がないので製作年は判断できませんが、1950年代の製作と思われます。

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 ・全長:xxxmm・ボウル高:35mm
 ・外径:40mm・内径:20mm・深さ:30mm
   ・重量:xxg

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届いた時は少し煤けていましたが、磨きをかけるとなかなか素晴らしいパイプになりました。

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外観:3
咥えやすさ:2(ヒンヤリ感&ツルツル感:5)
味:1(オールラウンド)

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咥えてみて驚いたのは、程よい重厚感と、ヒンヤリしたつるつるの表面です。
正直、エボナイトと全く異なる感触です。
「百聞は一見に如かず」と言いますが、実際に咥えてみて凄さが実感できます。

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浅草のお土産に「象牙」「鯨歯」の吸い口を売っていますが、ちょっと興味がわいてきました。
いかん・・・懐が・・・みざる
 
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<メンテ内容>
 ・煙道と内部をアルコールで拭く。
 ・ステムは希釈中性洗剤を布に染み込ませて拭き、100均の爪磨の艶出しぺ-パーをかける。
 ・ボウルは、カルナバでバフをかける
 ・レリーフ部は歯ブラシだけで徹底的に磨く。
 ・100均の銀磨き布でシルバーリングを磨く。
 
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このシリーズが気に入って現在は3本まで増えています

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