碓井義隆 フレスコ
碓井義隆氏が浮き彫りを施した「フレスコ」パイプです。
ベースのパイプは、Savinelli Punto Oro (Gold Point)です。
200x年頃、デパートの装飾として置いてあったサビネリ社のシーコラールに惚れ込んだそうです。
当時シーコラールは生産中止しており、自分で同じものを彫り始めたのが始まりのようです。
既存のパイプの塗装を剥がして彫るので肉厚な火皿のパイプが必要です。
2005年頃まで、依頼を受けて2~4万で比較的安価なパイプに彫っていました。
その後「ラ・ピエール」「シリウス」などで店舗販売に切替えたようです。
この頃からベースとなるパイプのグレードを上げ、角純や自作?もあったようです。
フレスコワールドというHPで紹介をおこない、フレスコのオフ会なども行っていました。
サビネリ社「SEA CORAL」は珊瑚の意味で、カステロ「SEA ROCK」の影響がありそうです。
塗装なしの「PUNTO ORO」に彫り込まれたモデルと、塗装有りの「CAPRI」があります。
CAPRIはセカンドグレードで、険しい地形で知られるカプリ島の意味です。
驚いた事に、手垢や灰による汚れは水で洗って良いそうです。
サビネリに問い合わせた方がおり、先代工場長が彫っていたと返事があったそうです。
3年以上のエアキュアリングの記事も木になります。
硬いブライアをリューターで削込むのは、危険で集中力のいる作業です。
職人やコストの問題から作られなくなり、2008年頃には碓井氏も製作を辞めたようです。
フレスコワールドHPもなくなり、2019現在ラ・ピエールの在庫18本のみ確認できます。
当時、ブラストやらスティックはラジエター機能を果たすと評判になりました。
実際は、パイプの吸い味は冷却以外の要因も多いので廃れてしまったようです。
フレスコという言葉を調べると、13世紀末で、イタリア・トスカナ地方で誕生しました壁画です。
黄金期は14~16世紀ですが、15世紀に油絵が世に出てから徐々に使われなくなりました。
・全長:xxxmm・ボウル高xxmm
・外径:xxmm・内径:xxmm・深さxxmm
・重量:xxg
刻印は底面に「FRESCOR」「YU」
通常イニシャルを刻印します。「PEKE」刻印は失敗のペケらしいです。
外観:3
咥えやすさ:3
味:3
ベースになっている、Punto Oroはグレードの高いのでブライアーや作りは悪くないと思います。
美味しいパイプで、咥え心地も良いパイプです。
暗黒時代などと例える人もいますが、フレスコ騒動のログはほとんどなくなっています。
氏の濃いキャラクターや、エキソントリックなやり取りは面白かったのですが(^^;)
生産するのは、かなり大変な作業だったと思います。
硬いブライアを深く彫る作業は、壊してしまうリスクや、ケガする危険も高いです。
時間をかけて彫るのであれば可能かもしれませんが、量産販売するには不向きだったと思います。
シャンクとボウルトップのラスティックのかけ方がは個人的にちょっと苦手なテクスチャーです。
白木より、カプリのようにきれいにワックスや塗装する選択肢もあってよかったのではと思います。
数年後には知る人も更に少なくなるパイプですが、蒐集家には嬉しいパイプです。
Savinelli Punto Oro 関連リンク
http://sqbull.blog120.fc2.com/blog-entry-118.html
https://rebornpipes.com/tag/savinelli-punto-oro-corallo-di-mare-510ks-bulldog/
http://yeoldewasabi.blog104.fc2.com/blog-category-5.html
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