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2019/05/13

Custombilt / Greewich House

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トレイシー・ミンサーのユニークなカスタムビルト。
ごついパイプに深いカービングは、角度によっては空間がえぐり取られたように見えます。
 
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小鹿田焼(おんたやき)の飛び鉋(かんな)とよく似た、リズミカルな痕も見飽きません。
 
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ユニークな浮き彫りや、溶けたようなサンディングも行っており幅広いデザインもありました。
 
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戦前はアルジェリア産の大きなブライアブロックの商流があったそうです。
傷やフローを気にしなくても良いのが強みですね。
Kaywwodieの歩留まり品を入手していたのでは?の記載もありました。
 
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このパイプは肉厚な大きなボウルに、対称に6本の深くカービングされています。
各時代に応じて、削り方や表面処理のスタイルがあるようです。
 
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1950年代以降のドブス氏時代のスタイルです。
一見、大雑把ですが、カービングの位置や強度は計算されており、指にも良い感じで絡みます。
詳しくは、以下のサイトが参考になります。
 
https://pipesrevival.com/category/custom-biltcustombilt/
 
このHPみて気づいたのですが、深いカービングには法則があります。
シャンクからボウル前方に斜め上に曲がるように削られています。
カービングの作業はのミスすると大怪我するので、手順化されていたのでしょう。
ちなみに、良く似たパイプで「GREENWICH HOUSE ANTIQUE」のパイプがあります。
ここのパイプは上記の削り方でないので、フランスMastercraft社が制作していたと思います。
 
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大きく3期に分けられるます。

 1. 戦前のミンサー氏時代(1929-1940)
   前後ヨークシャーパイプ独占販売時代(1940?-1950s)
 
 2.スチュアート氏時代(1968-1974)
  ドブス氏時代(1950s-1960s)
 
 3. ワイリー・フランク氏時代(1970s-)
 
イチオシは、なんと行ってもアルジェリアン・ブライアーのミンサー時代です。
 
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 ・全長:xxxmm・ボウル高xxmm
 ・外径:xxmm・内径:xxmm・深さxxmm
 ・重量:xxg
 
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刻印は右面に「Custombilt」「Imported Briar」
 
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このパイプには消えた可能性が高いですが、幾何学的なスタンプが入っています。
☆□△○、波型、十字型、三ヶ月などで、目的は不明です
ゼナーカードと同じなので、超能力発見に使われた可能性があります(^^;)
 
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外観:3
咥えやすさ:1
味:3
 
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リップはかなりぶ厚いですが、ガッチリ噛めます。
 
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戦前のミンサー時代はアルジェリアンで鉄板だそうですが、このパイプは普通の吸い味です。
国内では流通が少なく、少し酷評ぎみですが、個人的には気に入ったパイプです。
 
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・Custom-Bilt
 1934年  :ミンサー(Tracy Mincer)氏が創業。アルジェリアブライヤーを使っていた
 1946年  :戦後はハイフンを外し「Custombilt」に変更。Eugene J. Rich社と提携。
 1950年初 :財政が悪化し販売中止する
 1953年  :レオナルド・ロジャースが再販する
 1964年  :ミンサー氏が他界
 1968年  :Consolidated葉巻の二代目スチュアート(Claude Stuart)氏が再販する
 1970年頃 :Wally Frank が商標を購入する。
 1974年  :ウェーバー・パイプファクトリーで再販。(or 1975)
 1987年  :フランスのブ・ショカン工場で生産する
 1990年  :二代目スチュアート氏が他界
 1990年末 :メキシコで生産
 2010年  :スペインのTobacaleraが商標を所有?
 
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<OBさんからの追加情報 Thnx!>
 
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2019-06-08 「GREENWICH HOUSE ANTIQUE」
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グリニッジ・ハウス・アンティークのパイプも落札しました。(詳細は後日)
このパイプはアルジェリア産ブライアなので1960年頃までのものと思われます。

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1947年5月雑誌 Popular Scienceの広告では、ニューヨーク・マンハッタン8番街にありました。
NYで有名なグリニッチ・ヴィレッジ公園に近いので、つけた店名のようです。
 
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1979年12月号のNew York Magazine に広告がありました。

同ショップ・ブランドは、Mastercraft社が製造していました。
Mastercraftは戦前からあるフランスのパイプメーカーで、戦後アメリカのDr.Grabowに買収されます。

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Custombiltはカービングと彫り方を定めており、このパイプは彫り方が異なります。
その為、Mastercraft社が模倣した言われています。
 
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エッジが少しとろけたような研磨がされています。
これもカスタムビルト黎明期からあるラスティックで、スチームを当ててサンディングしていると考えています。
 
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シャンクは日本で修理されており、漢字で「純銀」と刻印。
前の所有者は愛用していたようです。

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なかなか、美味しいパイプです。
 
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