Tsuge Ikebana
「イケバナ」は柘製作所の最上グレードで、年間200~250本がハンドメイドで製作されます。
福田和弘氏が監修していた時代のパイプです。
2020年現在、福田和弘氏、大井誉四郎氏、菊池朝美氏の3名で製作しています。
価格帯も4~5万円から数十万円まで大きく差があります。
「イケバナ」ブランドは1978年に海外を中心に販売を開始しました。
イヴァルソンの下で学んだ福田氏42才がメインです。
ブランドの名付親は、日本通ドイツ人フフナーゲル氏(ラウファー社専務)と記載がありました。
シェイプはベント・エッグで、長く咥えても疲れないパイプです。
手に持った時の座りも良いですね。
リップが薄いのも日本人向けで嬉しいです。
ボウルトップが少しリーミングされているので、shingoさんから格安で譲っていただきました。
「いつかはクラウン・・・いつかはイケバナ・・・」と言いますしツゲの最高技術には興味がありました。
特に福田氏のエアフロー、リップスロット、柘のハイグレードブライアは要チェックです。
・全長113mm・ボウル高35mm
・外径:xxmm・内径:19mm・深さxxmm
・重量:25g
イヴァルソン系ラウンドの刻印で「TUGE」「109」「04」「MADE IN JAPAN」
水平で「IKEBANA」「AB」
製造年は2004年で109本目のシリアル番号が刻印されています。
グレードは「A」が一番低く「G」くらいまでが流通しています。
未確認ですが「H」以降は「V」まであるようです。
「AB」は血液型でなく「B」で作り傷があってブラストをかけて「AB」になったと思います。
2006年にグレードの刻印をやめてオープン価格になりました。
その後「OHI」や「KIKUCHI」(2013以降)といった製作名も刻印するようになりました。
イバルソン風ではなく、円に囲まれた「柘」の刻印もあります。
外観:4
咥えやすさ:4
味:4(オールラウンド)
医学生だったミッケはノイローゼで中退し、イヴァルソンに弟子入しました。
師匠の元で連日とステム作りをさせられ、ステム恐怖症になったそうです。
そのおかげかエアフローや工作精度といった内部へのこだわりを理解したそうです。
スモキンのエステートに同じ写真があったので、スペイン(たぶん)で売買されたようです。
外部とマウスピースは綺麗なのですが、内部は少々乱暴な修理が施されていました。
一番目立つのはボウルトップのリーマーによるズレです。
マッチを使用した焦げがあったのだと思います。
ズレた円なら、いっそベベルカットにするか修繕しない方が好みです。
致命傷なのは、ダボ穴からボウル底にかけてドリルで拡張している点です。
削過ぎてしまったのか、火皿と煙道の口がラッパ状に削ってしまっています。
これではオリジナルのエアフローが完全に失われています。
テノンの固定にも影響したのかダボ穴の内部と外部に傷があります。
こうなるとマウスピースもオリジナルか不明ですね。
ブライアの品質はとても良く、リップが薄いので咥えやすいです。
安価に入手しているので、気楽に吸える常用パイプとして使用していきます。
「いつかは新品のクラウン・・・いつかは新品のイケバナ・・・」ですね (^^;
<柘製作所の歴史>
1936年 柘恭一郎が象牙ホルダー製造する製作所として独立。
1945年 進駐軍を中心にパイプの製造と販売を開始する。
1970年代 福田和弘・佐藤純雄を含む6名の職人を技術習得の為、デンマーク・イタリアに派遣。
1978年 オリジナルのハンドメイドパイプの「IKEBANA」を販売。
1981年 柘恭一郎が勲五等瑞宝章を授与
1987年 柘恭三郎はドイツ・タバコ・コレギウムから「パイプ騎士」の称号を得る。
1996年 柘恭一郎引退。
2010年 柘恭一郎他界。享年99歳。
2011年 柘恭三郎が4代目社長に就任。
2013年 オーストリアのオイルライター「イムコ」ブランドを引継ぐ
<ドイツ・タバコ・コレギウム(Tabakskollegium)>
1950年代にブレーメンの商人がディスカッショングループとして設立しました。
モットーは「パイプで社交会を吹き飛ばす」
約10人の委員会で、欧州各地で年2回の150~180人のゲストを呼んで集会を行います。
また、毎年年末にブレーメン市庁舎で集会を行っています。
「パイプ王」ジョン・アドラー氏で、パイプ騎士を選出しています。
とても楽しそうな組織です。
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