« なんとなく集めてたネタ帳 | トップページ | 彫刻パイプ馬頭 »

2020/06/27

Zenith Old Mokum Baston and GTP

Img_e3856
 
1749年創業した世界最古のパイプメーカ「Zenith社」のセラミックパイプです。
1984年に倒産していますが、その後復活しています。

Zenith社は、オランダのゴーダチーズで有名なゴーダ市(オランダ語読みでは"ハウダ")にありです。
18世紀末のゴーダは、クレイパイプ生産で成立っており、市民の半数の約1万人がパイプ製造に従事していました。
 
Img_e3862  
 
1920年代に、磁器パイプを販売を開始しています。
液状の磁土を石膏で作られた形型(モールド)に流し込み型を抜きます(鋳込み)
 
1_20190823152201  

この頃から、ボウルに中空構造で熱くならないようにしていました。
 
Img_e3857  
 
「GOSICK」という小説・アニメーションで主人公の少女が磁器パイプを咥えています。
1924年が舞台なので、Zenith社の磁器パイプになるのでしょうね。
 
G  
 
「Old Mokum」シリーズは、1970年代に販売されたモデルです。
時期的にロイヤルコペンハーゲンのミッケパイプに対抗したのでしょう。
標準シェイプと、有名デザイナーに依頼したユニークなシェイプの2種類があります。
 
Img_e3865  
 
 ・全長:xxxmm・ボウル高xxmm
 ・外径:xxmm・内径:xxmm・深さxxmm
 ・重量:xxg
 
Img_e3858  
 
筆記体で側面に「Old Mokum」(意味はイディッシュ語でアムステルダムの旧市街地)
ダボ穴はゴムでリーミングされ、エボナイトのマウスピースが取り付けられています。
 
Img_e3859  
 
外観:3
咥えやすさ:3
味:?(オールラウンド)
 
Img_e3864  
 
左右半分ずつ作成し、中央で接着されているようです。
中空構造の粘土はかなり抜かれており、かなり軽量で咥えやすいです。
煙道が細いのでエアフローが悪いのが残念。
 
Img_e3866  
 
現在も30~150ユーロで販売しています。
鋳型があるので少量生産は可能なのだと思います。
Amsterdam Pipe Shop(https://pipeshop.nl/
 
Img_e3869  
 
このシェイプ名は「Baston」で人名か地名の意味だそうです。
他の標準シェイプは、以下の名称です。
Club(こん棒)/Bridge(橋)/Saxophone(サックス)/Tower(塔)/Duke(公爵)/Baron(男爵)/Citadel(城)
 
2_20190821192602  
 
長く使用するとクリーム色に着色が出るそうです。
他の磁器パイプはこのような発色はないので、メシャムと同じ光沢剤が塗布されているのかもしれません。
 
2_20190821192601  
 
Zenith歴代カタログ
https://www.claypipes.nl/20e-eeuw/van-der-want-zenith/catalogi/

Img_e3861
 
ゴーダで昔のクレイパイプ製造過程(動画)
https://youtu.be/9wUfDeXgroA

ゴーダのクレイパイプは、欧州を中心に世界中に大量に流通していました。
そのため1600~1900年の都市設計の年代判定に役立っています。

<刻印による年代判定>
Clip_5_20200630142401

<シェイプによる年代判定>
Clip_2_20200630142401

--------------------------------------------------
2020/06/28 GtP(Gouda Tobacco Pipes)を入手
--------------------------------------------------

ツヤツヤのきれいなパイプです。
アドリアン・ファン・デル・ワント氏のパイプです。

1_20200630144301

1986年にエイドリアン・ファン・デル・ワント(当時27歳)が会社を設立しました。

以前はゼニス社に勤めており陶器パイプの作り方を学んだそうです。
1984年にゼニス社は一度倒産しており、二年後にパイプ工房を始めました。

1_20200630230301

価格は75~95ギルダー(5000円~8000円)とけっこう安価に売られていました。

残念ながら1999年に会社は倒産しているようです。

ちなみにエイドリアンの祖先は、1749年にAdriaansパイプを製造していました。
ちなみにエイドリアンの息子は、ビジュアル・アーティストなるものをしています。

3_20200630230301

二重の中空構造で、断熱とジュースの吸収効果があります。
ダボはシリコンでアクリルステムになっています。
シャンクの印刷も綺麗で新しい技術のパイプを目指していたようです。

3_20200630144301

デザインや広告などは、エイドリアン恋人(嫁?)のジョセフィン・ファン・アーセンが手掛けました。
写真はヤフオクのもので後日アップし直します。

4_20200630145401

ゴーダーの地場産業の活性と観光としての発展も目指していたようです。

4_20200630230301

<GtP参考サイト>
https://pijprokersforum.nl/viewtopic.php?t=7930

チェダーと並んでチーズの名産地で、のんびりした田舎と想像していました。
しかし、ウィキで調べると、放火、略奪、ペスト、戦争、人口半減を延々と繰返しています。
19世紀には「ゴーダ」とは貧乏人の代名詞とまで書かれています。。
「ハウダ(ゴーダ)に幸あれ」

2_20200630230301

« なんとなく集めてたネタ帳 | トップページ | 彫刻パイプ馬頭 »

34.海泡石・陶磁器・黒鉛」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« なんとなく集めてたネタ帳 | トップページ | 彫刻パイプ馬頭 »

Link

無料ブログはココログ