カテゴリー「32.柘植・深代」の8件の記事

2020/03/13

Tsuge Ikebana

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「イケバナ」は柘製作所の最上グレードで、年間200~250本がハンドメイドで製作されます。
福田和弘氏が監修していた時代のパイプです。
2020年現在、福田和弘氏、大井誉四郎氏、菊池朝美氏の3名で製作しています。
価格帯も4~5万円から数十万円まで大きく差があります。
 
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「イケバナ」ブランドは1978年に海外を中心に販売を開始しました。
イヴァルソンの下で学んだ福田氏42才がメインです。
ブランドの名付親は、日本通ドイツ人フフナーゲル氏(ラウファー社専務)と記載がありました。
 
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シェイプはベント・エッグで、長く咥えても疲れないパイプです。
手に持った時の座りも良いですね。
リップが薄いのも日本人向けで嬉しいです。
ボウルトップが少しリーミングされているので、shingoさんから格安で譲っていただきました。
 
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「いつかはクラウン・・・いつかはイケバナ・・・」と言いますしツゲの最高技術には興味がありました。
特に福田氏のエアフロー、リップスロット、柘のハイグレードブライアは要チェックです。
 
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 ・全長113mm・ボウル高35mm
 ・外径:xxmm・内径:19mm・深さxxmm
 ・重量:25g
 
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イヴァルソン系ラウンドの刻印で「TUGE」「109」「04」「MADE IN JAPAN」
水平で「IKEBANA」「AB」
 
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製造年は2004年で109本目のシリアル番号が刻印されています。
グレードは「A」が一番低く「G」くらいまでが流通しています。
未確認ですが「H」以降は「V」まであるようです。
「AB」は血液型でなく「B」で作り傷があってブラストをかけて「AB」になったと思います。
 
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2006年にグレードの刻印をやめてオープン価格になりました。
その後「OHI」や「KIKUCHI」(2013以降)といった製作名も刻印するようになりました。
イバルソン風ではなく、円に囲まれた「柘」の刻印もあります。

 
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外観:4
咥えやすさ:4
味:4(オールラウンド)
 
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医学生だったミッケはノイローゼで中退し、イヴァルソンに弟子入しました。
師匠の元で連日とステム作りをさせられ、ステム恐怖症になったそうです。
そのおかげかエアフローや工作精度といった内部へのこだわりを理解したそうです。
 
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スモキンのエステートに同じ写真があったので、スペイン(たぶん)で売買されたようです。
外部とマウスピースは綺麗なのですが、内部は少々乱暴な修理が施されていました。
 
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一番目立つのはボウルトップのリーマーによるズレです。
マッチを使用した焦げがあったのだと思います。
ズレた円なら、いっそベベルカットにするか修繕しない方が好みです。
 
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致命傷なのは、ダボ穴からボウル底にかけてドリルで拡張している点です。
削過ぎてしまったのか、火皿と煙道の口がラッパ状に削ってしまっています。
これではオリジナルのエアフローが完全に失われています。
 
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テノンの固定にも影響したのかダボ穴の内部と外部に傷があります。
こうなるとマウスピースもオリジナルか不明ですね。
 
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ブライアの品質はとても良く、リップが薄いので咥えやすいです。
安価に入手しているので、気楽に吸える常用パイプとして使用していきます。
 
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「いつかは新品のクラウン・・・いつかは新品のイケバナ・・・」ですね (^^;
 
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<柘製作所の歴史>

1936年 柘恭一郎が象牙ホルダー製造する製作所として独立。
1945年 進駐軍を中心にパイプの製造と販売を開始する。
1970年代 福田和弘・佐藤純雄を含む6名の職人を技術習得の為、デンマーク・イタリアに派遣。
1978年 オリジナルのハンドメイドパイプの「IKEBANA」を販売。
1981年 柘恭一郎が勲五等瑞宝章を授与
1987年 柘恭三郎はドイツ・タバコ・コレギウムから「パイプ騎士」の称号を得る。
1996年 柘恭一郎引退。
2010年 柘恭一郎他界。享年99歳。
2011年 柘恭三郎が4代目社長に就任。
2013年 オーストリアのオイルライター「イムコ」ブランドを引継ぐ


<ドイツ・タバコ・コレギウム(Tabakskollegium)>

1950年代にブレーメンの商人がディスカッショングループとして設立しました。
モットーは「パイプで社交会を吹き飛ばす」
約10人の委員会で、欧州各地で年2回の150~180人のゲストを呼んで集会を行います。
また、毎年年末にブレーメン市庁舎で集会を行っています。
「パイプ王」ジョン・アドラー氏で、パイプ騎士を選出しています。
とても楽しそうな組織です。

 

2019/12/25

柘製作所 E-sterd 彫刻パイプ芸者

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今回のお題は「芸者」です。
彫刻パイプは5本目で、柘のエスタード・シリーズです。
 
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切り出しで描かれた線は緻密で、硬いブライアで難しい作業です。
凹凸も深く、エッジが綺麗です。
 
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山並みに併せてグレインが綺麗に出て3D感のある彫刻です。
 
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フレームからはみ出す効果で独特な立体感を出しています。
 
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 ・全長:145mm・ボウル高xxmm
 ・外径:xxmm・内径:xxmm・深さxxmm
 ・重量:xxg
 
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刻印は「(琴のマーク)」「E-sterd(筆記体)」「BRIAR」
銀巻に「SILVER」
 
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刻印線は細くきれいです。
 

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外観:3
咥えやすさ:2
味:?(オールラウンド)
 
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風景は日光東照宮で男体山を拝んでいます。
江戸時代から「恋愛成就」や「子宝」でも有名なスポットでした。
近い構図に富士山&忠霊塔がありますが、塔は新しい。
 
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柘製作所のHPによると戦前の黎明期から製作されていました。
1960年代のベトナム戦争で、米軍駐留兵にお土産に多く販売されたそうです。
ステムに象牙が使用されていない事からワシントン条約前後の1970年代と推測されます。
https://www.tsugepipe.co.jp/history.html
 
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彫刻シリーズは「七福神」「三猿」「日光東照宮」「芸者」の4種5本を入手しました。
他に確認しているデザインに「鹿」があります。
 
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作風からメインの職人は2人いるようです。
特に「三猿」「鹿」の浮き彫りが素晴らしい出来です
  

<柘イースター・シリーズの変遷>
 1945年戦後はエスターブロック「ESTERBROOK」
 1950年代でエスタード「ESTERD」に変更。
  米国の万年筆ペン先(ニブ)メーカーであるエスターブルック社と商標が重なった為
 2000年にイースター「E-STAR」に変更。
 

アンスモ&アンティックで柘植彫刻の顔パイプも販売されたいました。
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欲しいですが、私の懐ではちょっと高いですね。

2019/10/24

フナハシ Ballade

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名古屋ノリタケの森の近くにある老舗タバコ店「フナハシ」のパイプで、深代製作所が製造しています。
お店には2014年、2016年 2018年と2年毎に3回お伺いしました。
 
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2014年に訪問した時、店長さんにこのシェイプを勧められました。
イヴァルソンかミッケが来日した時に、本人に直談判して寸分違わぬレプリカの制作許可を頂いたと語っていました。
とても気さくな店長で、私の持っていたコモイをグラインダーで綺麗掃除し磨いてくれました。
当時の記憶が強く残っていたので、ヤフオクで見つけた時に落札しました。
 
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お店の中に、ソファーとテーブルがあり、一腹できるようになっています。
巨大なタバコジャーが置いてあり、桃山とボルクムリーフチェリーを同量混ぜたタバコがたっぷりと入ってました。
半分くらい吸うと「ポン」と灰皿に捨てるのですが、ドーム状に残ったタバコが、大きな灰皿にポコポコあったので覚えています。
 
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着色やカルナバなどのワックスも使用しない「生地仕上げ」が特徴です。
白木の表面が光沢が出るまで仕上げるのは大変な作業だと思います。
メシャムのように少しづつ色が付くのを楽しんで欲しいそうです。
 
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 ・全長:xxxmm・ボウル高xxmm
 ・外径:xxmm・内径:xxmm・深さxxmm
 ・重量:xxg
 
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刻印はきれいな筆記体で「Ballade」
ショパンに始まったクラシック音楽におけるバラードから派生した歌唱曲の様式。
クラシックを踏襲し、ゆったりしたテンポ、静かな楽想、美しいメロディラインやハーモニー、ラヴソングを中心とした感傷的な歌詞。
 
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外観:4
咥えやすさ:3
味:4(オールラウンド)
 
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さすが、フカシロのハンドメイドだけあって、フローと味はすごく良いです。
少し重いので咥えっぱなしでが顎が疲れます。
ボウル内側はコニカル構造なので、パイプは大きいですがタバコは適量入ります。
 
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確か「バラードの次はブルースですか?」って聞いたら、笑いながら「次はないです」と答えられました。

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居心地が良く、ゆっくり喫煙スペースのあるタバコ屋さんは良いですね。
私の知っている場所では、以下があります。
名古屋フナハシ、大阪北野田ハマヤ、京都岸田タバコサービス、福岡エピキュリアン、東京五反田野村タバコ

そろそろ2020年なので、コロナ禍ですがフナハシ再訪したいですね。

2022年夏、フナハシのご主人がお亡くなりなったと伺いました。
ご冥福をお祈りいたします。


<参考サイト>

クグロフト:フナハシバラード(深代製作所)
http://www7b.biglobe.ne.jp/~kogloft/barado.html

文七の日記:フナハシ
http://blog.livedoor.jp/bunsiti/archives/52329949.html
http://blog.livedoor.jp/bunsiti/archives/52328919.html
 
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フナハシお店情報 
https://smithcorp.jp/introduce-store/2015/08/6987/

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2019/08/19

日光パイプ

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1950年~1970年代まで柘植を中心に進駐軍などのお土産に象牙職人により製作されたパイプです。
柘植製作所が象牙職人に依頼したのが最初のようです。
https://www.tsugepipe.co.jp/history.html
ベトナム戦争の米軍兵も使っていたと記載さてれいます。
戦争終結とワシントン条約の1975年まで作られていたことがわかります。
  
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三猿七福神に続き3本目を入手しました。
箱と解説がついており、イタリア産ブライアとケニア産象牙が使用されています。

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風景は東照宮五重塔す。
中央の山は日光三山になりますが、山裾まで描かれているので男体山です。
左の建屋は陽明門のようです。
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ところが、ケニアの象牙で検索た時に、この彫刻に近い風景絵葉が書が出てきました。
ケニア第2の都市モンバサの旧市街「Ndia Kuu」です。
特徴がある高台の二階建は、18世紀末に修道教会として建設されものです。
その後、ケニア初のアメリカ領事館(1915-1918年)になります。
左側の高い建物は、アフリカンホテル(1901-1988年)です。
当時、扉など木製部分は「ザンジバルスタイル」と呼ばれる細かい彫刻が一面に施されていたそうです。

Monbasa

ケニアの風景が彫られている事はないと思いますが、少しロマンがありますよね。

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 ・全長:140mm・ボウル高:?mm
 ・外径:?mm・内径:?mm・深さ:?mm
 ・重量:?g

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シャンクの後ろに「BRIAR」と刻印
銀巻に「SILVER」の刻印。
三猿パイプは「STARLING SILVER」だったので、銀含有量を下げているようです。

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外観:2
感触:4(咥え心地)
味:?

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ステムは両側に「ひび」が入っていますが、構造的な設計ミスです。
ねじ込み式で象牙部にひずみの力がかかります。
同じパイプは、ほとんど同じ場所にクラックがはいっています。
後年は、アルミを差し込み式にして改善されています → 参照:「七福神」パイプ

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クラックのラインは黒く変色し「象牙の時代ひび」といわれます。
内部に貫通していないので喫煙に問題ありません。
クラックが大きくなった場合、象牙は「金継ぎ」と相性が良いそうです。
金継ぎ用漆・合成樹脂パテは、東急ハンズで入手できます。

なんやかんやで3本目、お気に入りのパイプです 

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2019-08-18 ベント版4本目も入手
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懲りずに4本目を入手しました(^^;
 
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同じ風景デザインですが、銀巻がないので後期の作品と思われます。
 
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象牙ステムの色はダボ付近は少し黄色いですが全般的に淡黄白色で美しい。
 
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象牙のステムには時代ヒビもなく、木目のような波紋は透明感がありれいです。
 
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大きさもあって、絵の彫り込みは緻密です。
 
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ひんやりしてツルツルのステムが気に入っているので、また買ってしまいそう(^^;

 



 

 

2019/06/04

柘製作所 島地勝彦5周年パイプ

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島地勝彦が経営する新宿伊勢丹8階のバー「salon de SHIMAJI」5周年記念のパイプです。
柘製作所が制作し、2017年に49000円で販売しました。
 
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島地氏は1982年にプレイボーイの編集長に就任し、100万部の雑誌に育て上げました。
2008年に集英社を退社し、現在はエッセイストとバー店主をしているようです。
 
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集英社で27才の時に、柴田錬三郎から葉巻とパイプを教わり、紙巻たばこをやめたそうです。
私もシバレンの大ファンなので、パイプが好きだった事は嬉しいエピソードです。
 
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フタ付きと、システムパイプ、コンパクト設計と、出張の多い私にピッタリの設計です。
 
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清掃しやすいように、4つの部品で構成されています。
面白い機能は、フタがキャップとボトムにネジ込みで付ける事です。
 
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 ・全長:105mm・ボウル高60mm
 ・外径:31mm・内径:21mm・深さ30mm
 ・重量:xxg
 
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正面アルミ部はレーザー刻印で「salon de SHIMAJI」パイプマーク
 
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キャップは「5th Aniversary salon de SHIMAJI」とドクロがパイプを咥えたマーク。
 
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タンパーはドクロマークと「salon de SHIMAJI 5th 2012-2017」。
 
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外観:4
咥えやすさ:3
味:?
 
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まだ吸っていませんの味はわかりませんが、フローは良い感です。
5周年記念の高額なパイプですので、柘も良いブライアを選んでいると思います。
 
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販売から二年が経過し1/3以下に値下がりしているので、お買い得だと思ます。
 
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システムパイプのファルコンに「ドライリング」というものがあります。
 
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モールをフィルタにするもので真似して作ってみました。
 
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煙草を吸わない人生なんて、大人の人生じゃない
http://aienka.sakura.ne.jp/articles/027/
5周年パイプの紹介
https://www.imn.jp/post/108057198058
サロン・ド・島地の紹介
https://koto1.com/archives/6326
東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿店メンズ館 8F

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2018/08/15

七福神パイプ

Photo

 

 

 

 

 

1950年代で柘植を中心に進駐軍などのお土産に象牙職人により製作されたパイプです。

 

三猿パイプに続き入手しました。

 

 

 

 

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ネットで調べると、同じ七福神パイプでも彫り師によっていろいろな表情があります。

 

この彫りは宗像志功や円空を彷彿とさせる荒々しいタッチが、とても気に入りました。

 

 

 

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七福神は室町時代に、福、金運、幸運を授けてくれる神様として7柱(はしら:神様は柱で数える)同時に信仰され始めました。

 

仏教の七難即滅七福即生(七難滅すれば、七福生ずる)の教えがベースになったようです。

 

恵比寿は日本、布袋尊(実在)、寿老人、福禄寿は中国、大黒天、毘沙門天、弁財天はインドの神々。

 

 

 

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 ・全長:140mm・ボウル高:?mm

 

 ・外径:?mm・内径:?mm・深さ:?mm

 

 ・重量:?g

 

 

 

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刻印はありません。

 

リップエンド加工が進んでおり、ヤニ止めの完成度が高い事から、1970年代のパイプのようです。

 

 

 

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外観:4

 

感触:4(咥え心地)

 

味:?

 

 

 

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エボナイトと異なる象牙の冷たくツルリとした感触が楽しめます。
特に、喫煙の合間にパイプを置くと、冷たさが戻っているのは嬉しいですね。

 

 

 

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フジヤマ、芸者ガール、馬、鹿、唐草模様などあるので、引き続き蒐集したいパイプです。

 

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<象牙の手入れ>
象牙には非常に細かい気泡というか、気孔があり、水分を微量ながら吸収する性質があります。

 

湿度が大きく変化すると、クラック発生の原因になりますので注意してください。

 

汚れは中性洗剤を薄めたもの染み込ませた布で落とします。

 

黄ばみが取れない場合は、100円シップの「爪ピカッシュ」という製品で研磨すると綺麗に取れ光沢も戻りました。
 

 

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<参考>

 

 

 

吸い口が象牙製のパイプ

 

 

 

象牙と真贋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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<2018年8月追記>
注釈には、イタリアのブライアが使用され、ケニア産の象牙が使用されていると記載されています。 
 

 

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1970年に日本の外貨取引規制が解除されアフリカなどから大量の象牙を輸入しました。

 

特に象牙の印鑑の人気が高く、1989年ワシントン条約会議で輸入禁止される直前は世界の需要の40%を占めていました。

 

  
 
<象牙のグレード>
象牙は先端の中心部がグレードが高く、堅牢性も良いです。
吸湿性があり、モース硬度2.5と、加工性に優れた素材です。
ネットで調べると、パイプのステムで利用されているものはクラックが多いのでグレードは低そうです。 
 
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2018/02/19

三猿パイプ

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「見ざる・聞かざる・言わざる」の三匹の猿がレリーフ彫りされたパイプです。
国立のサンスモークで同じビリアードの非売品が飾ってあり、前から欲しいと思っていました。

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日光東照宮で有名な彫り物ですが、世界中でシンボルとして使われています。
古代エジプトやアンコールワットのレリーフにもあります。
インドの指導者ガンジーも、数少ない所持品に三猿像があった事は有名です。

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孔子の論語で「不見・不聞・不言・不行」と道教の「庚申信仰」がベースになったと推測されています。
日本には、8世紀頃の留学僧によって伝わったと言われています。

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ステムはケニア産「象牙」のようです。
透明感が少なく、縞目はあるのですがごくわずかです。

 ・象牙の見分け方。
  象牙:年輪のような「縞目」がある。暗い場所で光を当ててると透き通る。
  骨 :経年変化で黒い筋が入る
  プラスチック :模様なし

Xx

象牙の筋に沿って入るクラックは「時代のひび」と呼ばれます。

天然のカルシウム素材なので、熱と乾燥でどうしても発生してしまいます。
乳白色の中にスッと入った黒い筋は、独特の風情があって綺麗です。
Rebornpipesでクラックの修繕にチャレンジしていますが、ひびを消すのは難しいようです。

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刻印は「BRAIR」で銀巻に「STARLINGSILVER」
前の所有者は、海外で落札したそうです。
堅いブライアーで浮彫するのは、かなり手間のかかる作業だと思います。
見た目が近い「七福神」レリーフのパイプを紹介しているHPを見つけました。

https://take5255.exblog.jp/24263921/
戦後、1950年頃にイタリアからブライヤーが輸入されるようになり、柘植はブライアパイプを作り始めました。
特に象牙彫刻家にる伝統的モチーフ(富士、三猿、東照宮、芸者、動物)を浮彫で彫刻しました。
帝国ホテル、横浜高級クラブ、PX(アメリカ軍売店)や酒保で、お土産として進駐軍に販売され、当時人気があったそうです。
柘植の刻印は、1950年代初頭が「ESTERD」で、その後「ESTERD TOKYO MADE」になります。

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このパイプは刻印がないので製作年は判断できませんが、1950年代の製作と思われます。

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 ・全長:xxxmm・ボウル高:35mm
 ・外径:40mm・内径:20mm・深さ:30mm
   ・重量:xxg

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届いた時は少し煤けていましたが、磨きをかけるとなかなか素晴らしいパイプになりました。

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外観:3
咥えやすさ:2(ヒンヤリ感&ツルツル感:5)
味:1(オールラウンド)

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咥えてみて驚いたのは、程よい重厚感と、ヒンヤリしたつるつるの表面です。
正直、エボナイトと全く異なる感触です。
「百聞は一見に如かず」と言いますが、実際に咥えてみて凄さが実感できます。

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浅草のお土産に「象牙」「鯨歯」の吸い口を売っていますが、ちょっと興味がわいてきました。
いかん・・・懐が・・・みざる
 
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<メンテ内容>
 ・煙道と内部をアルコールで拭く。
 ・ステムは希釈中性洗剤を布に染み込ませて拭き、100均の爪磨の艶出しぺ-パーをかける。
 ・ボウルは、カルナバでバフをかける
 ・レリーフ部は歯ブラシだけで徹底的に磨く。
 ・100均の銀磨き布でシルバーリングを磨く。
 
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このシリーズが気に入って現在は3本まで増えています

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2017/07/17

Western Peppermint Pipe

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薄荷脳の結晶を入れて使うハッカパイプです。(脳は「脳分」主成分のことです)

 

夏の暑い日に、のんびりと清涼感を楽しむのに良いかなとヤフオクで落札しました。

 

綺麗なグレインでパイプケースも付属していたので満足です。

 

 

 

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Westernは「共用ガスボンベ」「チルチルミチル」で有名な、東京パイプ(1946年創業)が販売していました。

 

フカシロが製作しており「ローランドハッカパイプL(ブライヤーチョク)」の名前で現在も販売しています。

 

最後の「チョク」って何か思えば、ベントはブライヤーマガリ(曲がり)と名付けられていました。

 

 

 

Obj

 

 

 

 

 

 

キャップ裏の容器に生ハッカを入れ、キャップのフチ穴から入る空気でハッカをゆっくり溶かします。

 

ハッカの融点は43度で少しづつ昇華します。

 

常温であれば2~3日は持ちますが、夏に車内に置き忘れると一瞬でなくなります。

 

 

 

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縁日で売られているガラス製のパイプもハッカパイプです。

 

ハッカ油を入れて清涼感を楽しみます。

 

ライターで軽く炙るとハードなクール感を楽しむ事ができます。

 

 

 

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 ・全長:150mm・ボウル高45mm

 

 ・外径:30mm・内径:16mm・深さ36mm

 

 ・重量:33g

 

 

 

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刻印は「Western OLD BRIAR DENICON TOKYO」

 

 

 

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埋め跡が数か所ありますが綺麗なパイプです。

 

空気の通る穴は、キャップのふちに3か所とプラスチック容器の底に2か所ありま。

 

ドローは予想外に良く、リップエンドが薄く咥えやすいです。
前にツゲのホルダータイプを持っていましたが、これはイマイチでした。

 

 

 

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この後、40度以上の社内にパイプを置き忘れていたら、中の結晶が爆散していました。  

 

粉になって穴が詰まってしまったので、安全ピンか爪楊枝を一緒に持っておくとよいです。

 

 

 

 外観:3

 

 感触:2(咥え心地)

 

 味:-(ハッカ)

 

 

 

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ハッカは少し苦みがあり、清涼感はかなり強いです。

 

長時間吸う事や、食事の前に吸うのは、控えた方が良いと思います。
面白がって一日中咥えていたら、食事の時に味覚の違和感が半日くらい残りました。
  

 

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主成分のL-メントール(C10H20O)は、化学合成可能です。

 

植物から抽出し精製したものは、ハッカ(ペパーミント)とミント(スペアミント)に分類できます。

 

ペパーミントは、メントールの含有量が多く刺激が強い。

 

スペアミントは、カルボンを多く含むため、マイルドで独特の甘みもある。

 

 

 

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日本では10世紀頃から漢方薬で使われた記録があり、江戸時代後期には油分を抽出していました。

 

 

 

 

 

最近は聞かなくなりましたが「メンソールたばこを吸うとインポになる」という噂があります。

 

ベトナム戦争の時、米軍兵士の性欲減退薬が強烈なミント風味だった為と言われています。

 

他の噂もありますが、勃起不全になる証拠はないそうです。

 

これで安心して吸えます。「たてぇー、たつんだジョー!」

 

 

 

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ハッカが尽きたら、シャグ用のパイプにしようかな。

 

フタもあるので、ショートスモークにちょうどよいかもしれません。

 

 

 

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