有田焼パイプ 館林源右衛門
260年以上の歴史を持つ有田焼を代表する源右衛門窯の「染錦花唐草」パイプです。
六代目館林源右衛門(1927-1989)は、1970年代に欧州に点在する古伊万里を調査しました。
古い技術の復刻だけでなく、布製品、服装、インテリアなどに古伊万里の技法・様式を取り入れました。
有田焼のブランド力を上げた人物として知られています。
銘やステムの作りやから1970年後半から1980年代にかけて製作された推測しています。
かねり凝った作品なので、六代目か職人にパイプスモーカーがいたと思います。
有田焼のパイプは、ヤフオクで過去5年に4点出展されました。
いずれも高額で取引されています。
前回の「蛸唐草文様」は、かなり欲しかったのですが、全然届きませんでした(;;)
今回の「染錦花唐草」は、かなり安価に落札できて、嬉しくて嬉しくて(^^)V
ベースの文様は、唐で牡丹鑑賞が好まれ考案されたデザインです。
蕾や新芽もあって、生命感があふれる文様です。
絵具が高く隆起した、伝統的な「手書き」の作品です。
土、釉薬、絵具の三層で熱で膨張か異なる為、手書きの品はハイグレードになります。
「花赤」と呼ばれる和絵具は、有田焼に欠かせません。
繊細で美しいグラデーションは職人の筆さばきの賜物です。
和絵具「ベンガラ(酸化鉄)」は、粒子が100ナノメートルの時に、赤色が綺麗に発色します。
水を張った大きな壺に酸化鉄を入れ、塩分を抜いて作ります。
10年間、毎日上澄みを入替える作業を繰返し、一つ色を作ります。
極細の筆で緻密な書込みは、有田焼の中でもかなりの「いい仕事してますねぇ」だと思います。
素人眼ですが(^^;;
・全長:xxxmm・ボウル高xxmm
・外径:xxmm・内径:xxmm・深さxxmm
・重量:xxg
銘は「源」
アーバンカラーのアクリルステムで、重量バランスも良く、かなり咥えやすさいです。
磁器側は、二重の樹脂チューブでうまく固定されています。
外観:5
咥えやすさ:4
味:2(オールラウンド)
ボトムに穴があり、その下にジュース溜まりがあるキャラバッシュの構造です。
ジュース溜まりの部分が空洞なので少し熱い程度で、持つことができます。
ボウルがかなり熱をもつので、後半は辛くなってしまいます。
ブライアの繊細な味を出すのは難しいですが、気楽にのんびりと吸えるパイプです。
しかし、このパイプの工夫の数々をみると、飾るのではなく、日々使って欲しいと感じます。
六代目舘林源右衛門(本名金子源)と第一回グッドデザイン賞の森正洋
高校代の同級生で、親友だったそうです。
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2020/12/29 もう一本入手
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箱書き有りの同じパイプを見つけました。
氏は1989年11月27日に心不全で他界されました。
享年62歳でした。
後継者は定めず、共同窯のような経営形態で窯を支える事になります。
有田焼の匠の技術を復興し、新しい息吹を伝えたパイプですので大切にしようしていきたいと思います。
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2020/12/30 ネットで見かけた源さんパイプ
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氏がパイプ通であったことが伺えます。